2011年05月21日

学習ノート5.21

第5節 認知症と薬

1 認知症の人への医療介入

 認知症の人の服薬行動の特徴

  認知症高齢者は、合併症を併せもち、体力的に
 虚弱で体組成でも脂肪の比率が高く、
  →脂溶性の薬剤の貯蓄がされやすい

 心気的に症状を訴えることが多く、多剤併用になりやすい

 しがたって、なるべく薬剤を使わずに問題を解決するのがよい!


2 薬物療法を行う前にすべきこと

 (1)本人の全身状態、薬剤、家族対応などの確認

   ①全身状態の精査
     発熱、便秘、痛みの確認
     BPSDが認知症に起因するのか否か

   ②すべての薬剤チェック
     市販薬を含め服用しているものすべて調べる

   ③家族対応関係のチェック
     BPSDが家族の対応に起因する場合もある
   
   ④薬剤モニタリング体制の構築
     家族介護者やケアスタッフが複雑な薬剤モニタリングに
     耐え得るか
     服薬を安全に運用するための体制づくり


3 BPSDへの薬物療法

 (1)認知症の人の薬物療法

  ①睡眠薬に対する一般的な注意点
    睡眠薬には、筋弛緩作用の副作用がある
    
    寝入るときに中途覚醒があるか
    起床時のどの時点に睡眠作用、筋弛緩作用が出るか
    を確認することえ安全性が高まる

    環境を整備し、リスクを最小限に管理することも大切


  ②せん妄に対する一般的な注意点
    薬剤によって生じるせん妄、身体疾患に伴うせん妄が伏在する
    可能性があることを念頭に置き、副作用の出現に細心の注意を払う


(2)BPSDへの医療介入を行ううえでの注意点
  
    BPSDが出現すると家族が困難になり、そこから
   医療が介入すると、家族や周囲の人を救済することが
   目的になりがち
 
    BPSDの根本的な原因ではなく、一時的な原因と
   なっている精神活動を抑える薬を処方することになり、
   根本的な解決につながらないことがある

    当事者の視点から始まり、介護者を含む全体的視点で
   医療介入が適切に行われるよう努める



(3)「目の前の認知症の人は未来の私」という視点の導入

  未来の私が満足しないような医療やケアは、たとえそれが
  どんなに高尚で立派であっても、本人にとって何の意味もない
  


Posted by まるこ♪  at 09:30Comments(0)試験勉強