2011年05月25日

一通の手紙



昨日、帰宅すると、最近では珍しく個人からの
お手紙が届いていました。

認知症サポーターの研修で知り合った方で、
ご自身も介護家族の方です。

3月、ある集いで入院中のお婆さんを毎日看病している
話を伺いました。ずっと寝たきりになると身体の拘縮が
起こり、それを伸ばしているというお話でした。

以前、知り合いの理学療法士さんから、拘縮は伸ばす
だけではだめ、拘縮が起こるのには理由があり、
それを改善してあげることで身体が緩むというお話を
聞いたことがあり、私はその方の話を聞いてすぐ
理学療法士さんに相談しました。

 拘縮は、重力に逆らって起きる

 ベッドの上で体重を支えているのは背骨を
 中心にした周辺の部分だから、丸みがあって
 ベッドについていない部分にクッションなどを入れ、
 体全体で体重を支えるようにすると身体は緩む。

そういう理屈です。

私は寝たきりの介護をしたことがないので、その
事実を目で確認したことがありませんが、理学療法士さんが
送ってくれた資料の写真では、同じ患者さんの
身体の緩み方が明らかに違います。

その資料を介護されているご家族の方に送りました。

送ったのは4月の初めごろだったと思います。

そして昨日の手紙。


手紙を送った頃、拘縮も強くなり、諦めかけていた
ときだったそうで、思いがけず資料が送られてきて、
何度も繰り返し読み、もう一度、拘縮を緩めるために
がんばろうと思い立った。そんな内容でした。

お婆さんは結局今月亡くなられたそうですが、
その手紙からは、納得のいく介護をしきったという
気持ちが感じられました。


状態にあった適切な介護技術をご家族に伝えていくこと。

それは専門職の役割でもあり、またそれに応えられるよう
技術、知識を向上させていかなければと、改めて
気持ちが引き締まりました。
   


Posted by まるこ♪  at 08:58Comments(0)家族支援