2011年06月28日

笑福会交流会&研修会



6月24日(金)、25日(土)、26日(日)と3日連続して
お勉強をしました。

24日は、笑福会(わらふくかい)関西支部のオフ会

兵庫県在住の笑福会メンバーが中心に集まり、
神戸シェラトンホテルでお洒落にランチをしました。

ケアマネさん、看護師さん、介護士さんと
いろいろな顔ぶれがそろいましたが、ただの
愚痴こぼし大会ではなくて、こんなことが
できないかな? こんなことやってみたいな?と
前向きな意見交換ができました。


25日は、大阪で開催された「ケアレク大会2011」
というもので、一般の研修でしたが、笑福会の
メンバーと一緒に参加してきました。

中・重度の認知症の方も楽しめるレクとは?

そのような大テーマがあって、4人の講師の講座を
3コマ受講することができました。

すごい!と思ったのは、奥田裕子先生。

http://wakuwaku-genkisha.com/waku1/staff/

レクレーションを仕事として、施設を回って
いらっしゃると話をされていましたが、
本当にレクのプロ!という印象を受けました。

認知症の方々に効果のあることを解説し、
それをもとにレクレーションを行っている。

理論と実践。当たり前だけど当たり前のことが
できていない職場のレクを思い浮かべながら、
こんなレクをしてみたいと思いました。


26日は、私は直接参加していませんでしたが、
川崎で笑福会のメンバーが集まって、研修をしました。

それをなんとライブ中継。ツイッターでこちらの
意見や質問も受けてもらえるという画期的な手法でした。

あいにく私はじっとPCの前に座っている訳にいかず、
結局、あとから録画を見ましたが、なんともすごい講座
でした。

参加していた、笑福メンバーのきんさんが、そのまとめを
書いてくれていますので、貼っておきます。

http://kintokaigo.seesaa.net/article/212155891.html


私は、ずっと感じていました、哲学を持たずに仕事を
している人が多いことを。

私はまだ介護職5年で、学校にも行っていないので、
それを知らないのだと思い込んでいましたが、実は
「介護哲学」というものは、日本ではあまり語られて
こなかったようです。

きんさんの「まとめ」を読んで納得しました。


そんなこんなで、この週末は笑福(わらふく)がらみの
とってもためになる時間を過ごしました。  


Posted by まるこ♪  at 10:27Comments(0)講座・研修

2011年06月18日

学習ノート6.18

第5節 動物をもちいたかかわり

1動物介在療法[AAT]・動物介在活動[AAA]の定義
 (アニマルセラピー)

 動物介在療法(AAT)
  目標達成のために特定の基準に適合する動物を
  介在させて行う療法

  心身の健康に関する専門家によって、人間の身体
  社会性、情緒そして認知の機能、あるいはこれらを
  促進するためにデザインされ、その専門領域の範囲内で
  管理・提供される

  AATの専門領域とは
   教育、精神保健、看護、作業療法、理学療法、
   レクリエーション療法、言語病理学、薬物・化学
   物質乱用・依存治療

  特徴
   ・個々人に対する目標と目的がある
   ・プロセスが評定される

   例)身体面の、微細運動技能の改善、車椅子操作技能の
    改善、立位バランスの改善
     心理面の、集団構成員間の言語による交互作用の増進
    注意技能の増進、レジャーやレク技能の開発、自尊心の
    増進、不安の軽減、孤独感の軽減
     教育面での、語彙数の増進、長期・短期記憶における補助
    大きさ、色のような概念知識の改善
     集団活動に参加する意欲の増進、他者との交互作用の改善など


 動物介在活動(AAA)

   生活の質を高めることを目的に、専門職、専門職の助手
  ボランティアによって、基準にあった動物とともに多様な
  環境で「動機づけ」「教育」「レクリエーション」そして
  「治療的な利益」になる機会を提供する

   人と動物の出会いと歓迎

  AAAの特徴
   ・活動ごとの特殊な目標は設定されない
   ・実施内容はおおまかなもので、実施時間も適宜決定される


2 AAT,AAAの特性

 ①身近な存在を使う

 ②生きた存在である



3 AAT,AAAの歴史

 古代エジプト 猫のミイラ

 19世紀 ナイチンゲール
     「伴侶動物の利点」を提唱

 18世紀 イギリスの精神保健場の困難者の施設
     「伴侶動物の世話が患者に目標感と育成の  
     機会を与える」

      鳥、庭、小さな農園

 1962年 アメリカ、児童心理学者レビンソン
      犬が精神の不安定な子供に有意な進展をもたらす
      心理臨床の分野で公式に動物を使用した



2 AAT,AAAの効果

  限定された人間関係の中で生活する施設入所の高齢者にとって
 外部から訪れる動物と交流する機会をもつことは、閉塞感や
 ストレスを緩和することに寄与している

  ・長期の交流
  ・愛され必要とされているということを感じる感覚
  ・毎日の決まった仕事への意識化
  ・運動や移動の意欲増進

  アメリカ、スペイン、ノルウェー、スイスなどでは、
  高齢者がペットを伴っ施設入所することが法律で守られている  


Posted by まるこ♪  at 10:38Comments(0)試験勉強

2011年06月18日

兵庫県のリーフレット



兵庫県のリーフレット

「認知症でも安心して暮らせるまちへ」

http://web.pref.hyogo.jp/contents/000176793.pdf  


Posted by まるこ♪  at 10:02Comments(0)資料

2011年06月16日

学習ノート6.16

第4節 植物を用いたかかわり

1園芸療法

◆定義

  園芸療法とは、植物や植物を育てることを中心に、植物や
 植物が育つ環境、植物に関連する諸活動を通して、身体や
 精神機能の維持・回復、生活の質の向上をはかること


◆園芸療法の特性

  自然の中に身を置く→安心感、緊張緩和、疲労の軽減をもたらす

  園芸の活動は、植物という静かな命と向き合うのが特性

  委ねる、育てる、過ごす、感じる、彩る、使うという営みを
  当事者に合わせて上手に利用することで、効果が期待される


◆歴史

  古代エジプト:園芸、農耕は「治療」

  作業療法として
   1973年 アメリカ園芸療法協会 設立
   1978年 イギリス園芸療法協会 設立
   
   1990年代~ 日本でも普及
   2008年 日本園芸療法学会 設立


2園芸療法の効果

①委ねる
  植物のある環境に身を委ねることで、心がやすらぎ
  不安や不穏な状況が軽減される

  季節の植物を見に外出する


②育てる
  適度な全身運動→基本的運動能力の維持・改善、食欲増進
          快眠導入など生活のリズムを整える

  世話をする立場になることが有用感、自尊心・自信の回復
  居場所の獲得
  コミュニケーション → 回想法へ


③過ごす
  植物の生長を期待し、将来の楽しみを感じ、植物と過ごす
  自然にあわせた時の流れを感じる

  →季節や時間の感覚を回復させる


④感じる
  植物の色、香り、形、肌触り、味わい、風の音や
  植物が風にゆれる音、訪れる昆虫、鳥のさえずりなど
  五感を刺激し、閉ざされた感覚を静かに呼び覚ます


⑤採る
  収穫の喜び、達成感、充足感、有用感をもたらず


⑥使う
  収穫した野菜や果物を食べる楽しみ
  収穫したものを調理することは人間の生理的欲求を満たす




3園芸療法の進め方

手順
 ①季節感を大切にする導入

 ②計画に関わってもらう

 ③準備も一緒に

 ④補完プログラム

 ⑤ほかの活動との併用


留意点
 ・危険回避
 ・植物選び
 ・道具の工夫
 ・場所と設備



2フラワーアレンジメント

◆定義
  花の形や色を活かして、花がより美しく見えるように配置すること

◆特性
  生の花を使うこと
  フラワーアレンジメントは、視覚、嗅覚、触角、手、脳を
  フルに使うアクティビティ

◆効果
  ストレスの度合いを示すコルチゾール値(唾液の検査)では
  作業後にストレスが緩和された

  作業中に笑顔が増え、自尊心が高まり、自信を持てるようになる


◆手順例
  ①講師挨拶
  ②完成品の提示と花材・材料の説明
  ③はさみの使い方の説明と練習
  ④茎を切り、長さをそろえる
  ⑤アウトラインとなる花をさす
  ⑥バラをさす
  ⑦グリーンをさす
  ⑧仕上げ
  ⑨講評

留意点
 ・はさみなどで怪我をしないようにする
 ・お稽古ごとの認識がうまれる
   
      


Posted by まるこ♪  at 11:00Comments(0)試験勉強

2011年06月15日

デンデラ



なんだかすごい映画のようです。

デンデラ

  ある貧しき村では

  口減らしのため

  人は70歳になると

  極寒の雪山に

  捨てられるという

  掟があった


http://dendera.jp/movie.html

6月25日から公開です!

姫路大劇
http://movie.geocities.jp/daigekikaikan/  


Posted by まるこ♪  at 07:55Comments(0)映画

2011年06月13日

学習ノート6.13

第3節 音と音楽を用いたかかわり

1 アクティビティとしての音と音楽の適用

 音や音楽を聴覚・視覚・触角刺激として受けることは、
 似た体験をしたときに当時の感情が再現することに
 つながり、涙があふれたり、自然に体が動いたり、
 声が漏れたり、個々の表現を呼び起こす。


かかわりとしての音と音楽

①コミュニケーションとしての音と音楽

 ノンバーバルコミュニケーションとして、
 音楽が安心感や自己肯定感をもたらず

 聞こえてくる音楽で身体が動きだし、
 知らない人と共有体験としてのコミュニ
 ケーションが生まれる


②音やリズム
 
・周波数・・・低周波は身体を弛緩させ、痛みの軽減が可能
     高周波は脳内物質の分泌を促進する

・テンポ・・・心に影響。歌うことは呼吸や口腔機能をコント
     ロールする。
      精神状態と心地よく感じるテンポがある

・リズム(律動)・・・
     人は死を迎えるまでリズム感は失わない
      呼吸や鼓動のような生体のリズム、
      歩く、食べるなど行動するときのリズム
      時間、昼夜、潮の満ち引きなどのリズム
      インナーチャイルド体験


③認知症の特徴と音楽の効用

 ・相互に共感的感情のもと、慣れ親しんだ活動の再体験
 ・リラクセーションを生み、癒しによる良質の休息
 ・対象者自身の主体的(納得された)取り組みと対処
 ・音や音楽を用いる場を提供する者と利用する者との協力関係

 認知症初期
  予防やリハビリ、トレーニングとして、歌唱や演奏など
  能動的な音楽活動が心身の機能を維持するために有効
  楽しく満足感がもて、QOLの向上に結び付く

 進行後
  音楽の再生体験は「今」となじみがあり、安全な環境として
  感覚的な反応を引き出すことができる

 音楽療法は、BPSDを軽減する


④音と音楽を用いたかかわりの目的と構造

 音楽的構造:選曲、音の種類、楽器の種類、活動の種類

 物理的構造:環境整備と場の設営、頻度、期間、時間

 心理的構造:人と人数、役割、介入の方法と度合い

 
  留意点
  ・同一の対象者に対して、継続するプランで計画的に行う
  ・美しい芸術体験や楽しい音楽活動を行う
  ・関わり方の見直しを対象者主体として繰り返す
  ・利用者の表現は、音と音楽から発信されているところに
   注目する。

  


Posted by まるこ♪  at 08:20Comments(0)試験勉強

2011年06月11日

ピック病



今日は「認知症ゼミナール」がありました。

家族の認知症を早期発見した方が参加されていることから
メインテーマは、家族を介護することになったときの
心得的な話で、介護はある日突然やってきて、その後は
「待ったなし!」であるということを理解し、
それに対する備えを家族で考えておきましょうと
いう話でした。

そして、少し触れたのが「ピック病」

認知症を学んでいたら当然名前は出てくるのだけど、
私自身はまだピック病の方と出会ったことはありません。

ピック病は、理性のコントロールが難しくなり、
反社会的行動をすると聞いたことがあるし、テレビでも
施設の利用者さんの頭をポンポン叩きながら歩いている
ピック病のお婆さんの姿を見たことがあります。

その程度の知識なので、改めてピック病について
学びたいと思います。



これは脳の水平断面。写真上が顔の前、写真下が後頭部です。

左の写真が古くて、右の写真が新しい。

そして、脳の前側の黒い部分が広くなっている。
つまり脳(白い部分)の前側が委縮しています。

感情を抑制したり、理性を保つ前頭葉がだんだんと
小さくなってしまうと、そういう部分が障害され
ちょっと変な行動になって表れる。


上の写真は、ドクターコウノの認知症ブログから
お借りしています。

http://dr-kono.blogzine.jp/ninchi/2007/10/post_bc83.html

ピック病の特徴と治療について

万引き・甘いもの好きがピック病の決め手とあります。

そして、アリセプト5mg は NG!

ピック病は、表現は失礼ですが、カンボジアの地雷のようなもの。
認知症の患者の中に潜んでいて、アリセプト5mgを出すと
大爆発します。医師はそれを忘れないでほしいです。


             byドクターコウノ


ピック病と診断された場合、ご家族もアリセプトの量が
間違いなく処方されているかどうか、注意してください。

もう一つ参考サイト
http://www.ninchisho.jp/kind/04.html  


Posted by まるこ♪  at 14:31Comments(0)症状

2011年06月06日

たつの認知症ゼミナール第3回



6月11日(土)午前10時~11時半に
認知症の本を読む会を開催します!

現在読んでいる本は、こちら



11日は、23ページからです。

本を読むことだけが目的ではありません。

参加者のみなさんとの情報交換することは
本よりも貴重です。

かつて認知症を患っているご家族を介護して
いた方の話や介護施設での話などを聞いたり、
補足資料でより理解を深めたりもしています。

どうぞご参加ください!


参加費 500円(ドリンク・資料代)




  


Posted by まるこ♪  at 11:17Comments(0)自主勉強会

2011年06月06日

学習ノート6.5

(2)回想法の具体的な手順と実際

①事前面接とニーズアセスメント

 目的:
  参加者一人一人の略歴や気持ちを理解する
  メンバーとの信頼関係を作る
  参加メンバーの役割や行動を予測する

②リーダーとコ・リーダー

 リーダー
  セッションで何をテーマとし、どのように会話を
  進め、何を達成sるうか準備段階で考え、イメージを
  作って取り組む

 コ・リーダー
  職員同士で協力し、グループの展開を図っていく
  メンバーの中に、全体の会話や特定の人の会話を
  結び付けたり、話を展開させる役割ができ、リーダーと
  メンバーの間の足りない部分を越えるための役割を
  果たしてくれる


③時間・頻度の枠組み
 
  1回のセッションは、参加メンバーの関心度や集中力の
  高さなどが関わる

  1回のセッションは基本的に1時間
  誘導・お茶の時間を含めて1時間半~2時間

  セッションの回数は、5~8回(10回以下)


④場の設定

 広い部屋の片隅で行うよりも、周囲から独立したスペースで
 緩やかな時の流れる空間を設定する。

 花を活けたりして落ち着いた部屋の雰囲気を出す工夫をする


 和室か洋室か、テーブルの有無、席順など、参加者の
 コミュニケーション能力・傾向や既存のサブグループ関係を
 予測しんがら会話が進む様子をイメージして決めることが
 必要


⑤参加開始のために

 案内は、口頭で伝えるだけではなく招待状を作り、心を込めて
 渡す。


⑥回想の共有

 個々のメンバーの回想、その時の思い、また次に浮かぶ
 別の回想など 一人一人の内部で起きる回想が出発点
 

⑦グループ形成期の課題

 セッション初期のグループ形成期はとても大切

 a一人一人のメンバーが示す不安の表現やその変化を
  見逃さないようにし、メンバーの不安軽減を図る

 bゆっくりとした口調、大きな声、はっきりした視線
  名前の繰り返しによる強調を通し、絶えず分散して
  グループの関心を集め、凝縮性を高める

 cメンバーの限られた言語表現や態度で示す非言語的
  表現に対して、補足や言い換えをしてフィードバックを
  ごく自然に行う

 dグループが明るく、おだやかで、楽しい雰囲気になる
  ように図る

 eすべてのグループの存在が尊敬され、一人一人の個性が
  大切にされるというグループ文化の形成を心がける

 f発言の難しいメンバーに対して、その人に代わって
  その人らしさを他のメンバーやグループ全体に伝える

    


Posted by まるこ♪  at 10:34Comments(0)試験勉強

2011年06月04日

青春の謝肉祭



デイサービスで時間がとれるとき、私は、
健さん(仮名)と関わるようにしている。

健さんは認知症を患っておられるが、ADLは自立、
時々自分の荷物のことが心配になって、上着や
帽子のところまで行き、その所在を確認する以外、
特に「問題」はないので、職員が放っておく
ようなことがある。

悲しいことではあるが、介護職員にもいろいろいて、
また施設の雑務が多かったりして、介助の必要な
利用者には積極的に関わるが、とくに「手のかからない」
方は「問題」を起こさない限り、関わらない職員が
いる。

健さんは、一人の時、部屋に飾ってあるものを
見まわしたり、テレビを見たり(実際は耳が遠いため
内容は理解はされていない)、ときどき荷物を
確認したり、トイレに行ったりして過ごされる。

健さんは、本当は人との交流が好きだし、感情が
豊かで、職員がそばにいて声かけをしながらテレビを
見ると、「ややっ!」「おぉー!」と関心する声を
あげたり、「東北に大きな地震があって、大勢の方が
批難しているんですよ」と説明すると、画面を見て
「それは大変なことだ」と同情されたりする。

そういう心の動きが、健さんのケアには一番重要では
ないかと思っている。

健さんは、歌が得意だ。いつもいつも、1日に何度も
歌う「青春日記」という歌があり、私はその歌を
健さんから習って大正琴で弾けるようになった。

健さんに関わる時間は、大正琴を出してコラボする。

他の利用者さんも、荷物を何度も確認する健さんには
「またやってる」といった表情をしているが、
健さんの歌には「上手だな~」と関心し、耳を傾けて
いる。

そして、最近気づいたこと。

健さんと歌を歌ったり、十分関わる時間があったとき、
レクレーションゲーム(特に的に向かって玉を投げるもの)の
成績がとてもいい。

たぶん、脳が刺激されて、運動能力にも影響がある
のではないかと思う。これが立証できたら面白いな~


それから、もう一つ、健さんは超ご機嫌のとき
「青春の謝肉祭(カーニバル)」という歌を歌われる
ことにも気づいた。

最近、音程が取りにくい健さんの歌からは、正確なメロディが
分からなかいので、YouTubeで探し、大正琴の譜面を作った。

今日は健さんが来られる日。時間を作って「青春の謝肉祭」を
演奏してみようと思っている。

健さん、喜んでくれるかな~♪






  


Posted by まるこ♪  at 11:24Comments(0)認知症ケア

2011年06月04日

学習ノート6.4

第2節 回想を用いたかかわり

1回想法の基本的理解

1960年代 バトラーにより提唱
 
 回想法は「現実からの逃避」ではなく、
 過去の未解決の問題を改めてとらえ直すことも
 できる積極的な意味をもつもの

時・人・地域をつなぐ回想法やライフレビュー
(人生を振り返り、評価し、意味を探求することで、
人格の統合などをめざす)として展開している。

(1)回想法の基礎知識

①回想法の定義 回想法とライフレヴュー
 
 回想法・・・本人から表され伝えられる回想は、
     単なる自伝的記憶の再現ではなく、何らかの
     評価基準に基づく再構築

  回想の聴き手は、体験の真偽や事実の正誤よりも
  語り手の体験の経緯や、それに伴う過去と今の思いに
  耳を傾ける

  過去と現在のつながりが、その人の生き方や価値観の
  理解の仕方を示している


 ライフレヴュー・・・人生の解釈を語り手に委ね、
       面接者は、その道筋を整理する

  「過去にこんな体験をした私がいて、今それを
  話している自分はその連続にある」ということを認識
  する行為


②回想法の対象と方法

  ・個人回想法
  ・グループ回想法

  ・一般的回想法
  ・ライフレヴュー


③回想法を誰が行うか

  医療介護、リハビリの専門職もあり、
  高齢者自身、家族、ボランティア・・・


④誰に対して、どこで、どのような目的で行われているか

 施設・病院 ⇒ 地域へ

 介護予防、高齢者の生きがい活動、世代間交流

 認知症の中等度・高度の人だけではなく軽度の人にも


(2)回想法の多面的効果

 個人・個人内面への効果
  ・ライフレビューを促し、過去からの問題解決と
   再組織化および再統合を図る
  ・アイデンティティーの形成に役立つ
  ・自己の連続性への確信を生みだす
  ・自分自身を快にする
  ・訪れる死のサインに伴う不安を和らげる
  ・自尊感情を高める
 
 社会的・対人関係的・対外的世界への効果
  ・対人関係の進展を促す
  ・生活を活性化し、楽しみをつくる
  ・社会的習慣や社会的技術を取り戻し、新しい役割を担う
  ・世代間交流を促す
  ・新しい環境への適応を促す

 認知症の人への効果
  ・情動機能の回復・意欲の向上
  ・発語回数の増加
  ・表情などの非言語的表現の豊かさの増加
  ・集中力の増大
  ・BPSDの軽減
  ・社会的交流の促進
  ・他者への関心の増大
  ・支持的・共感的な対人関係の形成

 職員への効果
  ・一人ひとりの高齢者の生活史や生き方に対する
   敬意の深まり
  ・グループメンバーの社会性の再発見
  ・日常の接し方への具体的示唆
  ・仕事への意欲向上
  ・世代間交流の進展

 家族への効果
  ・対人関係能力などの再発見
  ・具体的な会話や対応への示唆
  ・家族の歴史の再確認
  ・世代間交流の自然な進展


2回想法・ライフレビューの進め方

(1)テーマと小道具

 テーマ:時系列テーマ
      人生の発達段階に沿うもの

     非時系列テーマ
      行事、昔の作業、旅行、季節など

 小道具:昔に使っていたもの、季節を感じるものなど


(2)回想法の具体的な手順と実際

 ①実施場所の準備
 ②参加者の誘導・集合・BGM
 ③個々の席へ・名札
 ④開始のあいさつ ⇒ 約束事・会の名前の決め方
 ⑤テーマの提示
 ⑥テーマ・自己紹介にそった回想の展開
 ⑦小道具を用いた回想の展開
 ⑧会のまとめ・次回の確認
 ⑨終了のあいさつ
 ⑩お茶会(感想・参加簿への記入・BGM)
 ⑪参加者の解散誘導・片付け

  


Posted by まるこ♪  at 10:52Comments(0)試験勉強

2011年06月02日

学習ノート6.2

あ~さぼっちゃった~

第7章 アクティビティの種類と活用

第1節 日常生活活動におけるかかわり

1日々の生活を通した認知症の人へのかかわり

(1)日常生活活動の基本的知識

①日常生活活動の定義・意味

1976年 日本リハビリテーション医学会 定義
  ひとりの人間が独立して生活するために行う基本的な、
 しかも各人ともに共通して毎日繰り返される一連の
 身体動作群をいう

近年は、動作→日常生活活動

[狭義]
 起居、移動、食事、排泄、入浴、行為、整容などの身辺処理活動

[広義]
 買い物、炊事、洗濯、裁縫、家計管理


②日常生活活動を用いたかかわりの特性

 援助する側の意識のもち方で、日常の中に、
その人にとってのよりよい援助、よりよい時間を
つくる機会が数多く作れる


(2)日常生活活動を用いたかかわりの進め方

  ①起居・移動
    ADLの基礎となる活動
    困難になると行動範囲が狭まり、PT,OTが
    担当をしていく

  ②食事
    生命を維持するための生理的活動

    食事が楽しくなるような声かけ、環境設定
    テーブルやいすの高さ
    食事へのモチベーションを高める
    誤嚥に気をつける
    姿勢やペース、一回に口に入れる量に気をつける

  ③排泄
    尿意・便意を訴えられなくなったら、非言語的な
    サインを見つけ、誘導、排泄パターン観察をし、
    定期的にトイレに誘導する
    トイレの場所が分かるように環境を整える

  ④入浴
    入浴への意欲が高まらない人が、どうすれば意欲が
    高まるのか、様子を見ながらその人にあった援助を
    する

  ⑤更衣
    入浴同様、生理的欲求に直接基づかないため
    モチベーションが高まりにくい
    活動が終わる時、爽快感などを共有できるようにする  


Posted by まるこ♪  at 22:04Comments(0)試験勉強