2012年03月11日

パーソン・センタード・ケア



加古川市が主催する「認知症の方とその家族を
支えるための講演会」というのに参加してきました。

講演会の講師は、パーソン・センタード・ケアの
ご著書のある水野裕先生。

「認知症をもつ人たちの支援のために
~パーソン・センタード・ケアとその実践~」という
お話でした。

パーソン・センタード・ケアの考え方については、
認知症に関係する各種資格の勉強でもしたので
なんとなく分かっていましたが、先生ご自身が
関わっている本人やご家族の例を多数あげながら、
パーソン・センタード・ケアの考え方を示して
くださいました。


印象に残ったお話を書きますと・・・


世間が思う認知症のイメージや認知症について語られる
目標は「認知症が軽くなる」「進行を遅らせる」こと
であり、それを裏返せば、症状が重くなること、
進むことは不幸であると思っている。


しかし、頑張っても勝てない病があることを知るべし。


認知症のスケールの点数の上下が、人の幸せを
決めることなのだろうか? そうではないはず。


どんなにすばらしい援助をしても、ご本人の、
「私なんか、ダメになった」「用無しだ」という
無力感、あきらめ、怒り などに手が届かない
援助であれば、意味がない。


「相手の立場に立って」というが、「私ならこうする」
と「私」を基準にする限り、それは「私の立場」で
ある。


認知症の人たちが、求めているもの(Tom Kitwood)
  COMFORT くつろぎ
 IDENTTY 自分が自分であること
 ATTACEMENT 結びつき(愛着・こだわり)
 OCCUPATION たずさわること
 INCLUSION 共にあること
そして、その中心に LOVE

LOVEとは、対象の人などが、そこに存在するだけで
嬉しいと思う気持ちである。


認知症の方に、問いかけはするが、答えを求めてはいない。
(正しい答えを得ることが重要なことではない)
問いかけをしたという姿勢を見せること


「認知症になっても、安心して暮らせる社会を」
と言うけれど、私たちはどんな社会を目指すのか?


パーソン・センタート・ケアで目指しているものは、
その人の世界を支えること


認知症ケアは、一方的に提供されるものではなく、
認知症を抱える人たちとともに行うものである
                 Tom Kitwood


水野先生自身、医師として何かをしなければ
いけないと気が重いこともあったが、そうではなく
認知症の人と一緒に歩むことが大事だという
気づきがあり、気持ちが楽になった。
  


Posted by まるこ♪  at 10:03Comments(0)講座・研修

2012年03月11日

認知症サポーター養成講座をしました!



昨年末、キャラバン・メイトとなって初めての
認知症サポーター養成講座を開催しました~

と、言っても、毎月認知症ゼミナール(読書会)に
参加されている皆さんに対してなので、ある意味、
「ホーム」なので緊張はありませんでした。

それよりも、地域包括支援センターの職員さんが
機材などを準備してくださり、隣にいたので、
そちらの方がむしろ気になりました(笑)

認知症サポーター養成講座に参加くださる方には、
全国共通のテキストがあるので、内容はそれに
のっとればいいのですが、講義をどう展開させるか、
先輩のキャラバン・メイトさんたちが考えたものが
あるのです。

別に悪い内容ではないですが、私はもっとインパクトの
ある伝え方をしたかったので、オリジナルの教案で
チャレンジしてみました。

それについて、職員さんはどう思うかな?と思った
わけです。

大まかな流れは、

1.認知症サポーターとは何か?

  組織的に取り組む人を養成するではなく、自分の
  生活の中で認知症を抱える方、介護されている
  ご家族を理解を示す人である。


2.認知症の理解

  原因となる疾患のために起こる、記憶障害、見当識障害、
  判断力の低下などが認知症であり、その人の性格や素質、
  環境などに影響されて、徘徊や過食、妄想などの
  行動心理症状が出てくる。

  私たちの目に映るのは、行動・心理症状であり、それを理解
  するには中核症状や影響しているものを考えなければ
  ならない。


3.認知症を抱える本人の想いの理解

  テレビの録画を使って、ご本人の想いを考える。


4.接し方の理解

  教材DVDの事例から、その人をどう理解し、何を支援すれば
 問題が解決するかを一緒に考える。



こういった内容でした。

参加された方は、講座が終了したら、オレンジリングを
さっそく身につけてくださいました。


認知症を抱える方の想いに寄り添える人が一人でも
増えるように、これからも養成講座を大切にしていきたいと
思います。
  


Posted by まるこ♪  at 09:44Comments(2)認知症サポーター