2011年08月28日

エルダー制度


 
「エルダー制度」を聞いて「エルザ」を
思い出した私です。
(しょうもなくて、すみません)

気を取り直して「エルダー制度」ですが、
先日の認知症ケア学会関西地域大会では
人材育成が主なテーマでした。

認知症ケア以前に、いえ、施設が認知症ケアを
しっかり取り組もうとすれば、まず介護職員を
育てなければいけません。そういうことだと
思います。

「きつい、汚い、危険」と今や3Kの代表みたいに
言われる介護の仕事ですが、本当はそんなこと
はありません。もちろんきついことはあります。
下の世話など汚いこともあります。そして
感染症などの危険もありますが、介護職の離職は
それが一番の理由ではない。

そんなことはある程度、納得した上で就職している
はずですが、それよりも幻滅するのは、職場の
人間関係なのではないでしょうか。

なぜ人間関係が悪くなるのか?

職場内の意思統一がしっかりできていない。

 「決まり」が大ざっぱで、人が変わると言うことが
 変わってくる。職員個人の考え方に任されている
 部分が多い。⇒派閥ができたり、新人が迷ったり・・・

職員間のコミュニケーションがない。

 話をしたくても忙しくてゆっくり話す時間がない。


そんな問題をクリアにしようとしたのが「エルダー制度」

今回の学会で紹介されました。


前置きが長くなりましたが、簡単に言えば、職場で
細かな約束事(確か300ぐらいあった)をきちんと決め、
それを介護職2、3年の職員が、自分が担当する
新人職員に半年~1年間ぐらいかけて丁寧に教えていく。

教えるべき項目(約束事)があるので、何ができるように
なった、何がまだできない、ということが明確で、
先輩は新人にアドバイスしたり、新人は先輩に相談したり
でき、不安の多い新人も迷いが減るし、先輩も教えることで
自分の曖昧だった知識や技術を自分のものにしていく。

そして、教育はそのペアだけがするのではなく、上司と
三者面談のようなものを頻繁に行って、教育状況を
知り、励ましたり、指導したりする。

一見、面倒そうですが、私は、こういう教育は
介護以外の分野、たとえば会社などでは当たり前に
行われているんじゃないかな~と思うんです。

新人がいきなり先輩と同じ土壌に立たされ、できないこと、
知らないことがみじめに感じられたり、研鑚は自己責任
みたいな雰囲気では、誰だって辞めたくなります。


この「エルダー制度」を取り入れた施設は、その影響と
して、まず離職率が減り、それによって職員の技術や
知識が熟練されていき、介護の質が上がって、さらに
誰が仕事に入ってもその質が保たれるため、なんと
職員全員が、1年間に5連休をとれるようになった
そうです。

なんて素晴らしい「エルダー制度」♪

管理職の皆さんには、ぜひ知ってほしい制度です。  


Posted by まるこ♪  at 08:26Comments(0) 人材育成