2010年12月27日

不安と怒り



成美さん(仮名)は、認知症を患っています。

とても明るい性格で、面倒見がいい。
デイサービスのお手伝いも率先して
してくれます。

だけど今日は違いました。

私が出勤したときは、昼食の後で、
頬がとても紅潮しいましたが、それを
鏡で見ながらケラケラと笑っていた。

その後「もち花」作りを一生懸命して
くれました。

自分がもち花を枝に取り付けるときに
他の利用者さんが枝を動かしてしまい、
そのたびにもち花が外れてしまうので、
何度かぶつぶつと文句を言っていました。

そこで怒りのスイッチが入ってしまったのか、
落ち着きがなくなってきたのです。

トイレにも行きました。
水分も摂っていただきました。

けれども今度は「家のことが大変で
すぐに帰らないといけない」と言い出します。

共感しながら、ストーリーの筋書きを
変えようとしますが、帰り支度を始めて
しまいました。

たぶん止めることは無理だと判断し、
成美さんと私は施設から外に出ました。

今日は寒かったけど、風はなく、暖房で
少し息苦しかったので、冷たい空気も
気持ちがよかった。

そこで気持ちが変わるかと思ったのだけど、
私が付いて来たら困るのだ。

どうぞ帰ってくださいと成美さんは頭を下げます。

私もこの先に用事があって行くのだと説明しますが、
成美さんはだんだんと怒りがこみ上げてきます。

一人で帰らせてほしい。さもないと
車に飛び込んで自殺する、と私を脅します。

転倒や車に注意しながら、私は成美さんの
視界から外れ、後ろから歩きました。

数分歩いても成美さんの気持ちは全く変わらない。

けれどもだんだん疲れてきたように見えます。

施設に電話をし、偶然車で通りかかったふりを
して拾ってほしいと頼みました。


成美さん! 乗って行く?

職員が上手に誘導してくれます。


成美さんは私に辟易していたので、喜んで
車に乗り込みました。

途中で家に帰れないことが分かり、また少し
機嫌が悪くなりましたが、なんとか施設に戻り、
そのまま、ベッドに眠りこんでしまいました。

どうやら眠くて、イジイジとしていたようです。

30分ぐらい寝て、成美さんはいつもの明るい
成美さんに戻りました。


今、振り返っても、成美さんが不機嫌になってからの
対応は悪くなかったと思いますが、眠気のサインを
もっと前に気づけたら、あるいは前日の睡眠状況などの
情報があったら、静養を勧めることができたのでは
ないか。成美さんに不安や怒りの感情を持たせずに
済んだのではないか。

成美さんの「サイン」を見落とさないようにする。

新しい課題ができました。


  


Posted by まるこ♪  at 18:35Comments(0)出来事

2010年12月14日

加古川元気会に行ってきました



今年最後の家族会でした。

先月、インドネシアの研修生を連れて
行ったので、皆さんから今日はいないのかと
聞かれました。


今日のミニ講座は、歯科衛生士さんによる
「口腔ケア」の説明。

口の中を清潔に保つことは、誤嚥性肺炎の
予防につながるということで、
歯磨きの重要性はさることながら、
昼間歯磨きできない環境ではお茶を
口に含ませること、それから舌の掃除も
した方がいいことなど教えていただきました。

しかし認知症が進行すると歯磨きすること
自体大変になることがあり、そのときの
工夫なども紹介がありました。

たとえば、

支障がない程度に歯磨き粉をつけ、
香りとともに歯磨きの仕方を思い出して
もらうとか、

認知症の方に歯ブラシを持っていただき、
介助者が別の歯ブラシで磨くと、自分が
磨いているように錯覚され、あまり抵抗が
ないとか、

歯磨きの技を習いました。


また、全員で舌を出したりひっこめたり
嚥下体操を。




そのあとは、いつものように若年性認知症の
班に参加して、ディスカッション。

今日は、新たに家族会の発足を予定している
地区の社協職員さんと地域包括支援センターの
職員さんが見学に来られていたので、皆で
自己紹介を。

来年、たつの市に家族会を作りたい!と
宣言したら、皆さんから拍手喝さいが(笑)

ご家族のメンタルケアの重要性や男性介護者の
ことなどが家族会の今後の課題であると
教えていただきました。


調子にのって帰りは、姫路のジュンク堂で
認知症の本、家族用の本などを買い込んで
しまいました(苦笑)  


Posted by まるこ♪  at 21:10Comments(0)家族支援

2010年12月10日

認知症の人と家族の会を!



今日は、介護支援専門員(ケアマネ)の
合格発表で、友人が合格しました!

おめでとう!

実は、彼女に代わってインターネットで
合否の確認をしたのは私。

自分が認知症ケア専門士に合格したような
錯覚に陥り、認知症の人と家族の会をたつの市に
発足させる妄想をしてみました(笑)

モデルは、加古川の家族会です。

平日の昼間。認知症のご本人がデイサービスに
行っている時間帯に開催。

場所は、はつらつセンターがいいかな?

季節のいいときは、脇坂屋敷も気持ちがいい
かもしれません。


加古川の家族会では、

①紹介

 初回は全員自己紹介。
 その後、新しく来た参加者のみ紹介


②今日の歌(1)

  童謡などを歌う。


③ミニ講座

  各種専門職が毎回ご家族の介護に役立つ
  情報を話す。 約30分


④グループでの話

  高齢者の介護か、若年の介護かで組に
  別れ、楽しかったこと、悩みなどを
  話す。テーマは具体的に決めていないが、
  ファシリテーター(社協職員、介護施設職員など)
  が進行役となり、なんとなくその日の
  テーマが決まり、いろんな人が話をする。


⑤事務連絡

  認知症の講座の紹介、テレビ番組の紹介など


⑥今日の歌(2)
  
  童謡などを歌う。


そんな流れで、たっぷり2時間。


裏方の方は、名札の準備、資料のコピー、
お茶・お菓子の準備などをされています。

時々、認知症のご本人も参加されるので、
ボランティアなどがお相手をしたり。

会費は、1000円だったか、1200円だったか。
毎回ハガキでのご連絡も来ます。

毎回、30人ぐらい参加されているでしょうか?


月に1回の家族会。

加古川に比べたら私に力はないけれど、
家族会のもつチカラの大きさを知っている。

悩んでいるご家族の憩いの場として、
早く開催できたらいいな~と思います。

  


Posted by まるこ♪  at 22:30Comments(0)家族支援

2010年12月10日

最近のニュースは何ですか?



今年の漢字が発表になりました。

 

だそうです。

年末になると今年の重大ニュースが
話題になりますね。

さっき「きょうの健康」(再放送)が認知症
だったので見ていますと、「MCI」の
説明をお医者様がされていました。

MCIとは、Mild Cognitive Impairmentの略、
軽度認知障害のことで、健康な状態と
認知症発症の中間レベルの症状で、
「最近のニュースは何ですか?」という
質問の答えでそのレベルを知ることが
できるそうです。

答えたニュースが、1年以内の時事的なこと、
個人の出来ごとなどであれば「健康」

2年以上前のことだったり、上手く思い
出せなかったりしたらMCIの可能性があります。


MCIの場合、認知機能や日常生活は維持でき、
自分の物忘れについても自覚しているので、
認知症ではないのですが、早期発見により
認知症に移行することを予防することができ
ます。  


Posted by まるこ♪  at 14:16Comments(0)症状

2010年12月06日

認知症ケア専門士二次試験の詳細



11月28日の試験について、記録を残して
おこうと思います。

試験会場に着いて、控室には長テーブルが
いくつもあって、受験番号順に6人が
横に着席しました。

隣のグループと、6対6で向かい合う形に
なっていました。

他のテーブルは静かにしていましたが、
私たちの向かいのグループの中に
気さくな方がいて、どこから来たかなんて
話で盛り上がって、緊張感がほぐれました。

時間が来て、グループごとに係員が胸に貼る
番号シールを配り、それを貼ったら、
そのまま「面接室」の前の椅子に座るよう
指示されました。

当然ですが、もう控室には戻ることはできず、
帰りはほかのルートで出口に行きます。


同じ時間帯に数グループぐらいが、つまり
数室で同時に面接が行われます。

面接室の前に座ると、今度は自分たちの係員から
試験問題を見せられます。全員読み終わると
問題は床に置かれていました。

問題は、同じ時間帯の試験は全国で同じ内容だ
そうです。

私は、睡眠剤の使用について意見を述べるもの。

他の時間帯に受験した友人の試験は、

認知症の症状が急に悪化したと相談をされたとき、
どう対処するか。そんな内容。


印象としては、あまり意地悪ではない、認知症ケアに
関わるには当然、正しい判断力を求められるような
内容だと感じます。


問題を見てから2~3分たって入室。

試験官は2名いました。まず1番の人から1分で
自分の立場(どんな職場の何をしているか)と
意見を言います。

1分が来たら知らされ、容赦なく終了。


6人のスピーチが終わったら、いきなりでは
ディスカッションしてくださいと無茶ぶりされる。

とにかく何も話さないとアウトなので、誰かが
きっかけを作って話が始まる。

意見を言ったり、それに質問したり、私のグループの
人たちは、上手に配慮して、皆が均等に話せるように
がんばったと思います。


ディスカッションの時間は13分。

1つの絶対的な答えを出さない会話が延々と続き、
長いような、短いような不思議な感覚でした。


実際の場面では、利用者さん像がしっかりあるし、
ケアの方向や家族のこともある程度分かるので、
もう少し具体的に話せるけど、どんな人に対して
ほどこすケアなのか分からない状況でのディス
カッションはなかなか難しいです。


が、よほどNGの態度や発言でなければ合格すると
言われているので、みんな合格するんじゃないかな?
と思っています。


合格発表は、来年1月28日です。
  


Posted by まるこ♪  at 18:03Comments(4)資格

2010年12月02日

地域助け合い者養成講座・最終回



最寄駅から、はばたん列車に乗って
認知症地域助け合い者養成講座の
最終回に行ってきました。

今日は1日グループワーク。

まずは施設に実習に行った感想から。

実習先で困ったこと、学んだこと、
疑問に思ったことなど話しました。

同じ施設でも、時間帯やその日の行事に
よって印象やしたことが異なります。

私なんかは、認知症ではない利用者さんを
見守って終わり。そんな実習でした。

人によっては、施設内をうろうろしていた
ようです。うろうろしてもいいとか、
悪いとか何も言われなかったから同じ
部屋で過ごしていたのに・・・

もっと認知症のある利用者さんと
関わりたかったな~

ある施設に行った人は、来所してすぐ
手を洗うように言われたのだけど、
最初、手を水で濡らさなかっただけで
職員にすっごく叱られたらしい。

実習は実習でも、介護職になる人じゃ
ないのにね。ちょっとびっくりです。

私は「ニンチ」という言い方について
言いましたよ! 一般市民にそんな言い方が
定着してはいけないし、市民にそういう
職員に目を光らせてほしいと思ったから。


その後、これから自分がしていく助け合い者
の活動についてイメージを話し合いました。

私には「認知症家族の会」を作りたいという
目標があるけれど、一般の人はイメージは
何もなかった(がっかり)

この講座、認知症サポーター養成講座から
始まって三段階目の講座で、それも自主的に
申し込むものなのに、ボランティア活動を
と言われて、「頼まれればするけど・・・
家のことも仕事もあるし・・・」ととても受け身的
態度でした。

もっと青写真がないと人は動けないし、
智恵も出せない、そういう印象でした。

包括支援センター側も、皆さんからの提案に
バックアップします!とは言うものの、
具体的にこうしてほしいとは言えないらしい。


最終回は、何か具体的なものが出るかと
思ったけど、まだまだですね。

困っている介護家族がいるんじゃないかな~と
思うと、こののんびりペースにイラっとします。

企画書作って持って行くしかないのかな?  


Posted by まるこ♪  at 18:22Comments(0)講座・研修