2011年06月18日

学習ノート6.18

第5節 動物をもちいたかかわり

1動物介在療法[AAT]・動物介在活動[AAA]の定義
 (アニマルセラピー)

 動物介在療法(AAT)
  目標達成のために特定の基準に適合する動物を
  介在させて行う療法

  心身の健康に関する専門家によって、人間の身体
  社会性、情緒そして認知の機能、あるいはこれらを
  促進するためにデザインされ、その専門領域の範囲内で
  管理・提供される

  AATの専門領域とは
   教育、精神保健、看護、作業療法、理学療法、
   レクリエーション療法、言語病理学、薬物・化学
   物質乱用・依存治療

  特徴
   ・個々人に対する目標と目的がある
   ・プロセスが評定される

   例)身体面の、微細運動技能の改善、車椅子操作技能の
    改善、立位バランスの改善
     心理面の、集団構成員間の言語による交互作用の増進
    注意技能の増進、レジャーやレク技能の開発、自尊心の
    増進、不安の軽減、孤独感の軽減
     教育面での、語彙数の増進、長期・短期記憶における補助
    大きさ、色のような概念知識の改善
     集団活動に参加する意欲の増進、他者との交互作用の改善など


 動物介在活動(AAA)

   生活の質を高めることを目的に、専門職、専門職の助手
  ボランティアによって、基準にあった動物とともに多様な
  環境で「動機づけ」「教育」「レクリエーション」そして
  「治療的な利益」になる機会を提供する

   人と動物の出会いと歓迎

  AAAの特徴
   ・活動ごとの特殊な目標は設定されない
   ・実施内容はおおまかなもので、実施時間も適宜決定される


2 AAT,AAAの特性

 ①身近な存在を使う

 ②生きた存在である



3 AAT,AAAの歴史

 古代エジプト 猫のミイラ

 19世紀 ナイチンゲール
     「伴侶動物の利点」を提唱

 18世紀 イギリスの精神保健場の困難者の施設
     「伴侶動物の世話が患者に目標感と育成の  
     機会を与える」

      鳥、庭、小さな農園

 1962年 アメリカ、児童心理学者レビンソン
      犬が精神の不安定な子供に有意な進展をもたらす
      心理臨床の分野で公式に動物を使用した



2 AAT,AAAの効果

  限定された人間関係の中で生活する施設入所の高齢者にとって
 外部から訪れる動物と交流する機会をもつことは、閉塞感や
 ストレスを緩和することに寄与している

  ・長期の交流
  ・愛され必要とされているということを感じる感覚
  ・毎日の決まった仕事への意識化
  ・運動や移動の意欲増進

  アメリカ、スペイン、ノルウェー、スイスなどでは、
  高齢者がペットを伴っ施設入所することが法律で守られている  


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2011年06月16日

学習ノート6.16

第4節 植物を用いたかかわり

1園芸療法

◆定義

  園芸療法とは、植物や植物を育てることを中心に、植物や
 植物が育つ環境、植物に関連する諸活動を通して、身体や
 精神機能の維持・回復、生活の質の向上をはかること


◆園芸療法の特性

  自然の中に身を置く→安心感、緊張緩和、疲労の軽減をもたらす

  園芸の活動は、植物という静かな命と向き合うのが特性

  委ねる、育てる、過ごす、感じる、彩る、使うという営みを
  当事者に合わせて上手に利用することで、効果が期待される


◆歴史

  古代エジプト:園芸、農耕は「治療」

  作業療法として
   1973年 アメリカ園芸療法協会 設立
   1978年 イギリス園芸療法協会 設立
   
   1990年代~ 日本でも普及
   2008年 日本園芸療法学会 設立


2園芸療法の効果

①委ねる
  植物のある環境に身を委ねることで、心がやすらぎ
  不安や不穏な状況が軽減される

  季節の植物を見に外出する


②育てる
  適度な全身運動→基本的運動能力の維持・改善、食欲増進
          快眠導入など生活のリズムを整える

  世話をする立場になることが有用感、自尊心・自信の回復
  居場所の獲得
  コミュニケーション → 回想法へ


③過ごす
  植物の生長を期待し、将来の楽しみを感じ、植物と過ごす
  自然にあわせた時の流れを感じる

  →季節や時間の感覚を回復させる


④感じる
  植物の色、香り、形、肌触り、味わい、風の音や
  植物が風にゆれる音、訪れる昆虫、鳥のさえずりなど
  五感を刺激し、閉ざされた感覚を静かに呼び覚ます


⑤採る
  収穫の喜び、達成感、充足感、有用感をもたらず


⑥使う
  収穫した野菜や果物を食べる楽しみ
  収穫したものを調理することは人間の生理的欲求を満たす




3園芸療法の進め方

手順
 ①季節感を大切にする導入

 ②計画に関わってもらう

 ③準備も一緒に

 ④補完プログラム

 ⑤ほかの活動との併用


留意点
 ・危険回避
 ・植物選び
 ・道具の工夫
 ・場所と設備



2フラワーアレンジメント

◆定義
  花の形や色を活かして、花がより美しく見えるように配置すること

◆特性
  生の花を使うこと
  フラワーアレンジメントは、視覚、嗅覚、触角、手、脳を
  フルに使うアクティビティ

◆効果
  ストレスの度合いを示すコルチゾール値(唾液の検査)では
  作業後にストレスが緩和された

  作業中に笑顔が増え、自尊心が高まり、自信を持てるようになる


◆手順例
  ①講師挨拶
  ②完成品の提示と花材・材料の説明
  ③はさみの使い方の説明と練習
  ④茎を切り、長さをそろえる
  ⑤アウトラインとなる花をさす
  ⑥バラをさす
  ⑦グリーンをさす
  ⑧仕上げ
  ⑨講評

留意点
 ・はさみなどで怪我をしないようにする
 ・お稽古ごとの認識がうまれる
   
      


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2011年06月13日

学習ノート6.13

第3節 音と音楽を用いたかかわり

1 アクティビティとしての音と音楽の適用

 音や音楽を聴覚・視覚・触角刺激として受けることは、
 似た体験をしたときに当時の感情が再現することに
 つながり、涙があふれたり、自然に体が動いたり、
 声が漏れたり、個々の表現を呼び起こす。


かかわりとしての音と音楽

①コミュニケーションとしての音と音楽

 ノンバーバルコミュニケーションとして、
 音楽が安心感や自己肯定感をもたらず

 聞こえてくる音楽で身体が動きだし、
 知らない人と共有体験としてのコミュニ
 ケーションが生まれる


②音やリズム
 
・周波数・・・低周波は身体を弛緩させ、痛みの軽減が可能
     高周波は脳内物質の分泌を促進する

・テンポ・・・心に影響。歌うことは呼吸や口腔機能をコント
     ロールする。
      精神状態と心地よく感じるテンポがある

・リズム(律動)・・・
     人は死を迎えるまでリズム感は失わない
      呼吸や鼓動のような生体のリズム、
      歩く、食べるなど行動するときのリズム
      時間、昼夜、潮の満ち引きなどのリズム
      インナーチャイルド体験


③認知症の特徴と音楽の効用

 ・相互に共感的感情のもと、慣れ親しんだ活動の再体験
 ・リラクセーションを生み、癒しによる良質の休息
 ・対象者自身の主体的(納得された)取り組みと対処
 ・音や音楽を用いる場を提供する者と利用する者との協力関係

 認知症初期
  予防やリハビリ、トレーニングとして、歌唱や演奏など
  能動的な音楽活動が心身の機能を維持するために有効
  楽しく満足感がもて、QOLの向上に結び付く

 進行後
  音楽の再生体験は「今」となじみがあり、安全な環境として
  感覚的な反応を引き出すことができる

 音楽療法は、BPSDを軽減する


④音と音楽を用いたかかわりの目的と構造

 音楽的構造:選曲、音の種類、楽器の種類、活動の種類

 物理的構造:環境整備と場の設営、頻度、期間、時間

 心理的構造:人と人数、役割、介入の方法と度合い

 
  留意点
  ・同一の対象者に対して、継続するプランで計画的に行う
  ・美しい芸術体験や楽しい音楽活動を行う
  ・関わり方の見直しを対象者主体として繰り返す
  ・利用者の表現は、音と音楽から発信されているところに
   注目する。

  


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2011年06月06日

学習ノート6.5

(2)回想法の具体的な手順と実際

①事前面接とニーズアセスメント

 目的:
  参加者一人一人の略歴や気持ちを理解する
  メンバーとの信頼関係を作る
  参加メンバーの役割や行動を予測する

②リーダーとコ・リーダー

 リーダー
  セッションで何をテーマとし、どのように会話を
  進め、何を達成sるうか準備段階で考え、イメージを
  作って取り組む

 コ・リーダー
  職員同士で協力し、グループの展開を図っていく
  メンバーの中に、全体の会話や特定の人の会話を
  結び付けたり、話を展開させる役割ができ、リーダーと
  メンバーの間の足りない部分を越えるための役割を
  果たしてくれる


③時間・頻度の枠組み
 
  1回のセッションは、参加メンバーの関心度や集中力の
  高さなどが関わる

  1回のセッションは基本的に1時間
  誘導・お茶の時間を含めて1時間半~2時間

  セッションの回数は、5~8回(10回以下)


④場の設定

 広い部屋の片隅で行うよりも、周囲から独立したスペースで
 緩やかな時の流れる空間を設定する。

 花を活けたりして落ち着いた部屋の雰囲気を出す工夫をする


 和室か洋室か、テーブルの有無、席順など、参加者の
 コミュニケーション能力・傾向や既存のサブグループ関係を
 予測しんがら会話が進む様子をイメージして決めることが
 必要


⑤参加開始のために

 案内は、口頭で伝えるだけではなく招待状を作り、心を込めて
 渡す。


⑥回想の共有

 個々のメンバーの回想、その時の思い、また次に浮かぶ
 別の回想など 一人一人の内部で起きる回想が出発点
 

⑦グループ形成期の課題

 セッション初期のグループ形成期はとても大切

 a一人一人のメンバーが示す不安の表現やその変化を
  見逃さないようにし、メンバーの不安軽減を図る

 bゆっくりとした口調、大きな声、はっきりした視線
  名前の繰り返しによる強調を通し、絶えず分散して
  グループの関心を集め、凝縮性を高める

 cメンバーの限られた言語表現や態度で示す非言語的
  表現に対して、補足や言い換えをしてフィードバックを
  ごく自然に行う

 dグループが明るく、おだやかで、楽しい雰囲気になる
  ように図る

 eすべてのグループの存在が尊敬され、一人一人の個性が
  大切にされるというグループ文化の形成を心がける

 f発言の難しいメンバーに対して、その人に代わって
  その人らしさを他のメンバーやグループ全体に伝える

    


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2011年06月04日

学習ノート6.4

第2節 回想を用いたかかわり

1回想法の基本的理解

1960年代 バトラーにより提唱
 
 回想法は「現実からの逃避」ではなく、
 過去の未解決の問題を改めてとらえ直すことも
 できる積極的な意味をもつもの

時・人・地域をつなぐ回想法やライフレビュー
(人生を振り返り、評価し、意味を探求することで、
人格の統合などをめざす)として展開している。

(1)回想法の基礎知識

①回想法の定義 回想法とライフレヴュー
 
 回想法・・・本人から表され伝えられる回想は、
     単なる自伝的記憶の再現ではなく、何らかの
     評価基準に基づく再構築

  回想の聴き手は、体験の真偽や事実の正誤よりも
  語り手の体験の経緯や、それに伴う過去と今の思いに
  耳を傾ける

  過去と現在のつながりが、その人の生き方や価値観の
  理解の仕方を示している


 ライフレヴュー・・・人生の解釈を語り手に委ね、
       面接者は、その道筋を整理する

  「過去にこんな体験をした私がいて、今それを
  話している自分はその連続にある」ということを認識
  する行為


②回想法の対象と方法

  ・個人回想法
  ・グループ回想法

  ・一般的回想法
  ・ライフレヴュー


③回想法を誰が行うか

  医療介護、リハビリの専門職もあり、
  高齢者自身、家族、ボランティア・・・


④誰に対して、どこで、どのような目的で行われているか

 施設・病院 ⇒ 地域へ

 介護予防、高齢者の生きがい活動、世代間交流

 認知症の中等度・高度の人だけではなく軽度の人にも


(2)回想法の多面的効果

 個人・個人内面への効果
  ・ライフレビューを促し、過去からの問題解決と
   再組織化および再統合を図る
  ・アイデンティティーの形成に役立つ
  ・自己の連続性への確信を生みだす
  ・自分自身を快にする
  ・訪れる死のサインに伴う不安を和らげる
  ・自尊感情を高める
 
 社会的・対人関係的・対外的世界への効果
  ・対人関係の進展を促す
  ・生活を活性化し、楽しみをつくる
  ・社会的習慣や社会的技術を取り戻し、新しい役割を担う
  ・世代間交流を促す
  ・新しい環境への適応を促す

 認知症の人への効果
  ・情動機能の回復・意欲の向上
  ・発語回数の増加
  ・表情などの非言語的表現の豊かさの増加
  ・集中力の増大
  ・BPSDの軽減
  ・社会的交流の促進
  ・他者への関心の増大
  ・支持的・共感的な対人関係の形成

 職員への効果
  ・一人ひとりの高齢者の生活史や生き方に対する
   敬意の深まり
  ・グループメンバーの社会性の再発見
  ・日常の接し方への具体的示唆
  ・仕事への意欲向上
  ・世代間交流の進展

 家族への効果
  ・対人関係能力などの再発見
  ・具体的な会話や対応への示唆
  ・家族の歴史の再確認
  ・世代間交流の自然な進展


2回想法・ライフレビューの進め方

(1)テーマと小道具

 テーマ:時系列テーマ
      人生の発達段階に沿うもの

     非時系列テーマ
      行事、昔の作業、旅行、季節など

 小道具:昔に使っていたもの、季節を感じるものなど


(2)回想法の具体的な手順と実際

 ①実施場所の準備
 ②参加者の誘導・集合・BGM
 ③個々の席へ・名札
 ④開始のあいさつ ⇒ 約束事・会の名前の決め方
 ⑤テーマの提示
 ⑥テーマ・自己紹介にそった回想の展開
 ⑦小道具を用いた回想の展開
 ⑧会のまとめ・次回の確認
 ⑨終了のあいさつ
 ⑩お茶会(感想・参加簿への記入・BGM)
 ⑪参加者の解散誘導・片付け

  


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2011年06月02日

学習ノート6.2

あ~さぼっちゃった~

第7章 アクティビティの種類と活用

第1節 日常生活活動におけるかかわり

1日々の生活を通した認知症の人へのかかわり

(1)日常生活活動の基本的知識

①日常生活活動の定義・意味

1976年 日本リハビリテーション医学会 定義
  ひとりの人間が独立して生活するために行う基本的な、
 しかも各人ともに共通して毎日繰り返される一連の
 身体動作群をいう

近年は、動作→日常生活活動

[狭義]
 起居、移動、食事、排泄、入浴、行為、整容などの身辺処理活動

[広義]
 買い物、炊事、洗濯、裁縫、家計管理


②日常生活活動を用いたかかわりの特性

 援助する側の意識のもち方で、日常の中に、
その人にとってのよりよい援助、よりよい時間を
つくる機会が数多く作れる


(2)日常生活活動を用いたかかわりの進め方

  ①起居・移動
    ADLの基礎となる活動
    困難になると行動範囲が狭まり、PT,OTが
    担当をしていく

  ②食事
    生命を維持するための生理的活動

    食事が楽しくなるような声かけ、環境設定
    テーブルやいすの高さ
    食事へのモチベーションを高める
    誤嚥に気をつける
    姿勢やペース、一回に口に入れる量に気をつける

  ③排泄
    尿意・便意を訴えられなくなったら、非言語的な
    サインを見つけ、誘導、排泄パターン観察をし、
    定期的にトイレに誘導する
    トイレの場所が分かるように環境を整える

  ④入浴
    入浴への意欲が高まらない人が、どうすれば意欲が
    高まるのか、様子を見ながらその人にあった援助を
    する

  ⑤更衣
    入浴同様、生理的欲求に直接基づかないため
    モチベーションが高まりにくい
    活動が終わる時、爽快感などを共有できるようにする  


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2011年05月27日

学習ノート5.27(2)

第2節 認知症ケアにおけるコミュニケーションのコツ


①自分の姿勢を「整える」

 安心できる関係を築くために、心理的態勢、物理的態勢、
 身体的態勢を整える

 心理的態勢の整え:自分の意識や注意、関心を相手に向け
          取り組む気持ちをもつ

          自分が相手をどのように思っているか、相手に
          抱いている感情を認識する

 物理的態勢の整え:お互いの距離や向き、位置など

 身体的態勢の整え:身体状態をコミュニケーションが可能な
          状態にする
 

②治療・援助者が希望をもち「まなざす」ー気持ちの伝え

  思いを込めて対象を見る 非言語コミュニケーション
  
  まなざしには、まなざす人の思いや心の状態が
  目の表情として現われ、相手に伝わる


③希望というまなざしを向けて「共にある」

  ケアする者の気持ちを相手に伝える非言語的コミュニケーション

  ケアにあたる者として希望を捨てず、焦る気持ちを抑え、
  整え、温かく、静かに「共にある」ことが大切
  

④対象者の心の開きを「待つ」ー関係の成り立ち

 観せて待つ:対象者にケアに当たる者を観察する機会・
       時間を提供して待つ=観られて待つ

       他の人への接し方を見せて心構えを作らせる

 整いを待つ:ケアを受ける人の、心理的態勢、物理的態勢、
       身体的態勢を待つ。特に「心の整い」

  
⑤対象者の生活機能とその思いを「知る」

 ケアの関係を築く基本

 「知る」とは、ケアする者が、対象者に対してできることを
 適切に果たす、しなくてもいいこと、してはいけないことを
 しないようにするためのコミュニケーション

 観察・・・聴く・観る・集める・読む

 聴く:返事の有無、言葉の直接的内容だけで判断するのではなく、
    返事ができないこと、返事をしないことが「返事」である
 
   聴くコツ
   ・自分の気持ちを伝えるより、相手の話に耳を傾け
   ・話された内容の価値判断をせず、その気持ちを受け止め
   ・指導的な助言は控え、
   ・相手の話を遮らないように
   ・何をつたえたいのかを読み取るように聴く

   聴くことの効果
   ・自分の気持ちをわかろうとしている
   ・自分の思いをわかってもらえそうだ
   ・話したことで気持ちが楽になる

   よくない聴き方
   ・熱心に何もかも聞きすぎる
   ・関係を失うまいと安請け合いする
   ・何かを助言しなければと無理して自分の考えを述べる
   ・聞き取りにくいのに分かったふりをする


 観る:目にみえない心の状態は、語られる言葉の意味や
    内容よりも、その話し方、表情、姿勢、態度、行為、
    動作などの運動系の変化や自律神経系の変化に
    「からだの表情」として表出される

  観るコツ
   外観、表情、態度、行為、行動、話し方、声、アクティビティ
   の経過や結果を、客観的に判断し、把握する過程は、
   観る者の感受能力、分析能力、判断能力によって観察結果が
   異なる


 集める:対象者の情報を収集する。

 読む:得られた情報をライフストーリーとして紡ぎ直す作業


⑥その思いを言葉に頼ることなく「伝える」

 声-言葉の表情
    声の大小、強弱、高低、速さと変化、間合い、テンポとリズム
    抑揚、語気(語調)、言葉の量、言葉の連続性(流暢さ)
    言葉の肌理など

 身体ーからだの表情
     身振り、動作など

 物-拡張した自我
    所有したり、作った作品、道具や日常用品など物は
    対象者の性格特性を表す非言語メッセージ

    衣類、装身具、カバン、時計などから趣味、価値観、思想が見える


⑦正しく伝えるために言葉で「話す」

 言葉を者として手渡す
 ・手渡すことが出来る距離まで近づき
 ・相手と目を合わし(アイコンタクト)
 ・双方の態勢が整うのを待つ。
 そして
 ・相手の受け取り能力(覚醒度、認知能力)に合わせ
 ・手渡す「言葉」の量を考え
 ・手渡す(話す)速さを配慮し
 ・受け取る(聞く)準備ができたことを確認して
 ・一度に理解できる量(内容)を手渡す(話す)
 続けて話すときは、
 ・相手が受け取った(聞いた)ことを確認して
 ・次の物(言葉)を手渡す  


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2011年05月27日

学習ノート5.27(1)

第6章 かかわりのためのコミュニケーション

第1節 認知症とコミュニケーション

1 認知症のコミュニケーション障害

 認知症のコミュニケーション障害は、どのように
対処していいかわからない状態の一つ

 言語機能障害に記憶、思考、見当識の障害が重なり、
状況に応じた話ができない、同じことを何度も繰り返す、
つじつまの合わないことを言うといったことがおこる。

自分の気持ちを上手く伝えることができず戸惑っている
のは本人自身。


(1)言語機能障害とコミュニケーション

 比較的早期から、語彙数が限られてくる、固有名詞が
 出て来なくなり代名詞が増えるが、日常会話に大きな
 支障がみられないために気づくのが遅れる。

 次第に相手の言葉が理解できなくなったり、自分の
 言いたいことをいう適切な言葉が思い出せなくなったり
 することが起きる。

 認知症の初期は、人が何を言っているかわからない、
 自分の思いをわかってもらえない、そのために混乱したり
 起こったりする

  ⇒周囲の人とのコミュニケーションを悪化させ、孤立を深める


(2)見当識障害とコミュニケーション

 記憶障害のため、人物や場所がわからない、それを表す
 言葉も分からないため、困惑が深まる

 ケアは、困惑を理解し、何に困っているのか、何を伝え
 たいのか、その思いを受け止めようとする気持ちが必要


(3)記憶障害とコミュニケーション

 体験したことを忘れるため、つじつまが合わなくなる。

 つじつま合わせを繕うよう、記憶のつぎはぎをしたり、
 作り話をしたり、思い込みや錯覚、妄想につながる


2 認知症の人とのコミュニケーション

(1)一番困っているのは認知症の人本人

 人の名前や関係を忘れても、自分にとっていい人か
 嫌なことをする人か、快・不快の感情は働いている。

 対応が煩雑になるとBPSDが増える


(2)ケアにおけるコミュニケーション

 その人が、今、どのような状態にあるのかを知ることが
 必要になる。行動の問題性にとらわれず、耳を傾け
 その人を知ろうという気持ちで関わると、自分にとって
 安心な人という認識が生まれる  


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2011年05月26日

学習ノート5.26

応用検定で興味深いところに早く進みたいー!

第5章 アクティビティ・プログラムの立案

第1節 アクティビティの特性を知る:活動分析

活動分析の目的
 ・アクティビティの特性や、人とアクティビティの基本的関連を
  包括的に捉える

 ・アクティビティをケアの手段として選択したり、用いる場合の
  感性を養う


一般的分析
(1)基礎項目

  ①アクティビティの種類
 
  ②所要時間

  ③準備するもの・費用

  ④実施場所・環境

  ⑤対象となる年代、性別

  ⑥対象人数

  ⑦必要なスタッフ数


(2)身体運動の特性

  ①身体運動の粗大さ

  ②身体運動の部位

  ③身体運動の速度

  ④身体運動の抵抗

  ⑤リズムと繰り返し

  ⑥対称性

  ⑦主動間接と主動筋群


(3)感覚・知覚・認知機能の特性

  ①入力される感覚、必要な感覚

  ②注意力、集中力、記憶力の程度


(4)交流・コミュニケーションの特性

  ①対人交流の特性

  ②必要なコミュニケーションと形態


(5)リスク 


限定的分析

 特定障害や機能の回復・改善を目的とする場合に、
 その対象やケアの目的などに応じて、項目を限定する
 ことで詳細に分析する


活動分析の方法

 分析方法に特定のものはない!

 アクティビティをしている場面を観察したり、ビデオ
 などで録画したものを見たりして分析するもの、
 分析するものがアクティビティを体験しながら分析
 する方法などがある  


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2011年05月22日

学習ノート5.22

第6節 認知症と口腔ケア

1 認知症の人の食べる機能の障害と口腔ケアの視点

 認知症尾の人の食行動に関連したBPSD
 (拒食、過食、食事行為の中断など)への
 対応法は検討されているが、まだ確立されていない

 以上の障害が栄養状態に直結する  


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2011年05月21日

学習ノート5.21

第5節 認知症と薬

1 認知症の人への医療介入

 認知症の人の服薬行動の特徴

  認知症高齢者は、合併症を併せもち、体力的に
 虚弱で体組成でも脂肪の比率が高く、
  →脂溶性の薬剤の貯蓄がされやすい

 心気的に症状を訴えることが多く、多剤併用になりやすい

 しがたって、なるべく薬剤を使わずに問題を解決するのがよい!


2 薬物療法を行う前にすべきこと

 (1)本人の全身状態、薬剤、家族対応などの確認

   ①全身状態の精査
     発熱、便秘、痛みの確認
     BPSDが認知症に起因するのか否か

   ②すべての薬剤チェック
     市販薬を含め服用しているものすべて調べる

   ③家族対応関係のチェック
     BPSDが家族の対応に起因する場合もある
   
   ④薬剤モニタリング体制の構築
     家族介護者やケアスタッフが複雑な薬剤モニタリングに
     耐え得るか
     服薬を安全に運用するための体制づくり


3 BPSDへの薬物療法

 (1)認知症の人の薬物療法

  ①睡眠薬に対する一般的な注意点
    睡眠薬には、筋弛緩作用の副作用がある
    
    寝入るときに中途覚醒があるか
    起床時のどの時点に睡眠作用、筋弛緩作用が出るか
    を確認することえ安全性が高まる

    環境を整備し、リスクを最小限に管理することも大切


  ②せん妄に対する一般的な注意点
    薬剤によって生じるせん妄、身体疾患に伴うせん妄が伏在する
    可能性があることを念頭に置き、副作用の出現に細心の注意を払う


(2)BPSDへの医療介入を行ううえでの注意点
  
    BPSDが出現すると家族が困難になり、そこから
   医療が介入すると、家族や周囲の人を救済することが
   目的になりがち
 
    BPSDの根本的な原因ではなく、一時的な原因と
   なっている精神活動を抑える薬を処方することになり、
   根本的な解決につながらないことがある

    当事者の視点から始まり、介護者を含む全体的視点で
   医療介入が適切に行われるよう努める



(3)「目の前の認知症の人は未来の私」という視点の導入

  未来の私が満足しないような医療やケアは、たとえそれが
  どんなに高尚で立派であっても、本人にとって何の意味もない
  


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2011年05月20日

学習ノート5.20

第4節 認知症と睡眠

1 認知症と睡眠障害

 昼夜逆転現象≠異常行動
 
 その人の生活のリズムに着目する

 一度睡眠のリズムが崩れると元に戻すのが難しい

 睡眠薬の使用は本人によってよいことかどうか
 本人視点に立った介護の在り方を考える


2 睡眠障害の原因とその対策

(1)睡眠障害の原因

 ①活動性の低下やADLの低下

   環境の変化のために不安の混乱が生じ、
   外出の機会や意欲が減退する

   →うつ、転倒、失神、自律神経障害(血圧の乱降下)
    夜間頻尿、発汗異常、RBD(レム睡眠の行動障害)

   せん妄
    目覚めていない状態、意識障害、幻覚、運動不穏など
    意識レベルが低下した状態

    活動性せん妄・・・活発であるが支離滅裂
    非活動性せん妄・・・ぼーっとしていて意欲が減退

    せん妄は、認知症の症状というより薬の二次的症状が多い


(2)睡眠障害への対策

 非薬物療法
  ①日中の覚醒レベルを上げる
    日中に傾眠状態にならないように工夫する
    昼寝を30分程度にする
    起きているときに本人の興味をそらさないようにする

  ②薬剤全体の徹底した見直し
    薬の影響もあるため、見直す
  
  ③身体疾患のチェック
    自分で異常を訴えるのが難しい場合もあるため、
    栄養状態、排尿・排便状態、かゆみや痛みの有無
    せん妄の有無などを観察する

  ④光刺激
    光刺激で睡眠覚醒リズムを調整する
    起床時に朝の光を入れ込む工夫

  ⑤体温調節
    睡眠時に興奮状態を作らない。体温が下がり過ぎないようにする

  ⑥就寝時の環境や習慣の整備
    空腹感がないように眠る前に温かい飲み物を飲んだり、
    排泄を済ます

  ⑦不安の解消
    やさしく話を受容しながら安心感や信頼感を築きあげるよう
    心がける


 薬物療法

  高齢者は、薬の代謝回転が遅く睡眠薬が蓄積する傾向にあるため
  短時間作動型の薬剤を使用する

  転倒に気をつけ、漫然と投薬を継続しないように留意する

  なるべく睡眠薬に頼らない

  


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2011年05月17日

学習ノート5.17

第3節 認知症と排泄

1 排泄機能を知る

(1)高齢者の排泄障害

  排泄障害は、年齢のせいではない!

  認知症の人の排泄障害は、認知症が原因ではなく、
  身体的な原因によるものが多く、治療ができるもの 
  もある。

  身体的な原因に適切に対処できれば、心理的にも
  いい影響があり、BPSDが落ち着いてくることも
  期待できる。


(2)正常な排泄

  ①尿意・便意を感じる

  ②トイレ、便器を認識できる

  ③移動できる

  ④衣類を脱ぐことができる

  ⑤便器に適切に位置することができる

  ⑥排尿・排便できる

  ⑦後始末ができる

  ⑧衣類を着ることができる


(3)排泄障害の原因と種類

  ①動作の障害
  
   原因 認知機能の低下、運動機能の低下 

   排泄障害のタイプ 機能性尿失禁、機能性便失禁
     
     場所が分からず放尿したり、便器にうまく座れず
     トイレを汚したりする
     便意を訴えることができずに失禁してしまう
     排便後の処理がうまくできず周囲を汚してしまう


  ②泌尿器の障害 

   原因 泌尿器や消化器に問題がある

   排泄障害のタイプ 「蓄尿障害」と「排出障害」

      判別 尿勢と残尿測定、排尿日誌などで判断する

   「過活動膀胱(OAB)」「尿意切迫感を必須とした症状」
   「頻尿と夜間頻尿を伴うもの」「切迫性尿失禁」
   「服圧性尿失禁(くしゃみなどで出る)」


  ③消化器の障害

   排泄障害のタイプ 「畜便障害」と「排出障害」

      判別 便性状と直腸内診、排便日誌などで判断する      


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2011年05月13日

学習ノート5.13

第2節 認知症と食

1認知症初期に起こりやすい食の問題点

 
(1)認知症と食生活

  過剰摂取(過食)→ 肥満
  後期高齢者、超高齢者は食事が不足し低栄養になる
 
  同じものだけ食べる
  食べる意欲がなくなる
  食べるのを拒否する
  食べることに集中できなくなる
  食べられないものを食べてしまう

  失行、失認で料理の認知に問題が生じる

 
(2)食行動の問題点

  記憶障害
  誤嚥
  異食
  失行

  経口摂取が難しくなると、経管摂取になることもある


(3)食行動の対策

 ①過剰摂取による肥満
   食事を何度も要求したら、気を紛らわすお茶を提供
   茶碗を小さくして、1回の量を減らす

 ②不足することによる低栄養
   食事を促す声かけ
   とろみなどつけて、飲みこみやすくする

 ③同じものばかり食べる
   視野が狭くなって、目の前のものしか見えていないこともある
   目の前の皿を置き換える
   松花堂弁当箱のように入っているものが一目でわかるような工夫

 ④食べる意欲がなくなる・拒否する
   ゆっくり話をし「なじみの関係」をつくり、声かけや介助をする

 ⑤食べることに集中できなくなる
   しばらく様子をみて、落ち着いたら食事を勧める

 ⑥かき込むように食べる
   小皿に食べ物を少しずつ入れて提供する。

 ⑦食べられないものを食べてしまう
   食べ物でないものは手元に置かない


2認知症予防と栄養・食事の関係

(1)野菜・果物等の抗酸化物質による予防

  認知症の予防には、脳の活性酸素(フリーラジカル)
  処理することが重要
  
  脳は全消費エネルギーの20%を消費し、栄養素はブドウ糖
  ブドウ糖をエネルギーに変えるときに活性酸素が生じ、
  活性酸素を除去するために抗酸化物質が必要となる。

  抗酸化物質・・・お茶、野菜、果物、ワインに含まれる
  
  ビタミンE ビタミンCの抗酸化物質が認知症の発症を抑制し、
  緑色野菜、黄色野菜に効果がある


(2)葉酸摂取による高ホモシステイン血症の予防

  血清ホモシステインを増加させる要因は、ビタミンの欠乏
  喫煙、アルコールなど

  葉酸(240μg/日)が不足すると血清ホモシステインが増加し、
  認知症発症のリスクが増える

  葉酸は、緑色野菜(ブロッコリー、ホウレンソウ)
  ビタミンB6、B12は、魚介類、肉類、レバー、牛乳、大豆に
  含まれ、1日3回の食事にバランスよく入れて行く


(3)魚(EPA・DHA)等の摂取による予防

  1日1食でも魚を食べると認知症になりにくい

  EPAやDHAの脂肪酸は、抗不整脈佐用、高血小板凝縮能亢進作用
  こう動脈硬化作用、血清脂質の改善作用などがある


3摂食・嚥下障害と食事形態

(1)摂食・嚥下障害

  悪化は認知症の進行による
  
  目が見えない、耳が聞こえにくい、歯や義歯の状態が悪い


(2)経口摂取と食事形態

  食事の姿勢
 
  顔が上に向いている時に誤嚥しやすくなる

  寝ている場合は、顔が上にならないようクッションで支え、
  顎を引いた状態にする

  食事の自立も誤嚥のリスクを下げる。
  福祉用具などを使って自分で食べるようにする

  食べ物の切り方も注意する  


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2011年05月11日

学習ノート5.11(2)

2 認知症の人が治療と生活を続けていくために

(1)糖尿病をもつ認知症の人の低血糖への対応

  糖尿病による低血糖 70mg/dl

  重篤な低血糖は、意識障害の原因となり、その後の
  認知機能にも影響を与えてしまう

 ①低血糖の症状

  低血糖になると

   自律神経(副交感神経)症状
      異常な空腹感、あくびなど
          
          ↓
        
   中枢神経症状・・・頭痛、めまい、吐き気
   
          ↓

   自律神経(交感神経)症状
      発汗(冷や汗)、動悸、震え

          ↓

   中枢神経症状 異常行動、錯乱、痙攣

          ↓

        意識消失



 認知症の人の場合、BPSDの原因が低血糖のこともある
 
       

 ②低血糖の処置

  経口摂取が可能な場合は、ブドウ糖5~10g 砂糖なら倍量
 
  またはブドウ糖を含む清涼飲料水 150~200ml
  (多い順に、ファンタグレープ、ファンタオレンジ、
   ハイシ―オレンジ、はちみつレモン、ハイシ―アップル、
   コカコーラ)

  αーグリコシダーゼ阻害薬は、ブドウ糖でないと効果がないため
  ブドウ糖がよい
  


(2)糖尿病の人の体調不良時(シックデイ)の対応

  糖尿病の人が、風邪、インフルエンザ、肺炎などの感染症、
  胃腸薬による下痢、おう吐、腹痛、食欲低下などあり、
  シックデイになると、血糖値が不安定になる

  食事がとれれば、うどんやそばなどの麺類、シチューなどをとり、
  水分や電解質の補給には、味噌汁、ジュース、電解質(イオン)入りを
  少し薄めにしてとる

  食事がとれない場合は、医師に相談


(3)過食への対応

  記憶障害で食事を何度も要求する場合は、食器をすぐに
  片付けず、食べたことが認識できるようにする

  満腹中枢が障害されている場合は、1日のカロリーを
  考えて小分けにして提供したり、低カロリーのもの
  野菜スティックなどを提供する

  見えるところに食べ物を置かない環境設定

  食事以外に興味関心あることに取り組めるようにする


(4)認知症の人の服薬管理

  忘れた場合、次に飲むときに前回分と一緒に
  同じ薬を飲んではいけない

  飲み忘れたとき、注射し忘れたとき、食事中や
  食後いつまでなら服薬ができるか、あらかじめ
  主治医に確認しておく


  認知症と診断された早い時期から、食事前の薬の容器を決めて
  食卓に置くような習慣をつくっておく


  独居の高齢者の服薬管理は、家族や介護サービスで
  できる支援

  お薬カレンダーを電話のそばに置き、電話で服薬を指示する
  こともある

  薬が増えないように健康に気をつけることも大事

  医療機関が異なっても、薬局を1つにすることで
  薬の管理がしやすくなることもある


(5)本人の今ある能力を活用した生活習慣の維持・改善

  認知症の人は、生活のリズムが乱れがち
  
  苦手な部分を援助を受けたり、わかりやすくすると
  いろいろな力を発揮することができる

  本人のこれまでの生活習慣を取り上げてしまう(管理)
  ではなく、本人の能力に照らし合わせながら、本人の
  したいことや思いを尊重して考えていく  


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2011年05月11日

学習ノート5.11(1)

第4章

1 つづき

(3)脂質異常症(高脂血症)

 血清脂質値が異常値を示す病気
 
 正常 LSLーコレステロール 140mg/dl未満
     トリグリセライド  150mg/dl未満

 これらを越えたら異常とする


 症状は現れず、影響が動脈硬化などになって
 現われる。動脈硬化はさらに高血圧を引き起こしたり、
 腎臓病などの原因になったりする。

 また動脈硬化は、血管の病気(狭心症や心筋梗塞などの心臓病と
 脳出血、脳梗塞など脳卒中の危険因子 

 肥満、高血圧、糖尿病、脂質異常症→死の四重奏
 4つすべてに異常があったら、脳卒中のリスクは
 健康の人の30倍 

 禁煙、食生活の改善、運動など生活習慣の改善が必要

 薬物治療(脂質異常症治療薬)もあるが、医師との
 相談で決めていく



(4)高血圧

 高齢者に多い 

 高血圧の治療は認知症(特にアルツハイマー)の予防効果がある

 異常 収縮期血圧 140mmHg以上
    拡張期血圧 90mmHg以上

 
 中年期以降から高血圧があると、血管の伸展性に障害が 
 でき、収縮期血圧だけ上昇する収縮期高血圧の人もいる


 
 医療機関での測定で血圧が上がる(白衣高血圧)人もいるため、
 家庭血圧が重視される

 早朝(起床時1時間以内で排尿後、朝食前)と
 就寝前に測定する 座った姿勢で2分ぐらい安静を保ってから測定

 早朝高血圧もあるので1日2回以上の測定が望ましい


 予防には、塩分を減らす 
  1日10g以下 高血圧の人は6g未満  


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2011年05月08日

学習ノート5.8

第4章 認知症と生活習慣

第1節 認知症と生活習慣病

1生活習慣病とそのかかわりについての考え方

(1)生活習慣病

 1996年 成人病→生活習慣病

 定義:食事や運動の習慣・休養・喫煙・飲酒等の生活習慣が
    その発症や進行に関与する疾病群

 糖尿病、脂質異常症(高脂血症)、高血圧、肥満
 (以上「メタボリック症候群」)
 虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞など)
 脳梗塞などの動脈硬化に伴う疾患、がんなど

 認知症の人は生活習慣の改善あるいは維持すること自体難しい状況
 →病気の管理だけに視点が注がれてしまい、本人のQOLや尊厳が
  損なわれないように注意する

 そのためには・・・
  ①病気や病状を知り、将来どうなるか知る
  ②本人の生活の質を考える
  ③本人の考え方や好きなこと、いやなことに配慮する
  ④本人がどんな状況や生活習慣にあり、そんな支援によって
   何ができてどう感じるのかを考える


(2)糖尿病

  疑いのある人を含め、患者数は国民の1割を越える

  糖尿病があると認知症になる率が2~3.5倍になる

  糖尿病のない人は、食事をとると血統が上がり、空腹時にやや下がる
  70~140mg/dlの間で変動sるう

  糖尿病は、
   空腹時に126mg/dl以上、食事の2時間後200mg/dl以上
   過去1、2か月の血糖の状態を表す検査値HbA1cが6.1%以上


  糖尿病の種類
   1型糖尿病・・・膵臓の細胞が自己免疫で破壊され、インスリン分泌力が低下し
          インスリンが完全になくなる 糖尿病の3%
          インスリン注射が発症当初より必要

   2型糖尿病・・・糖尿病の9割。インスリンの分泌が不十分(分泌不全)
          または筋肉などえインスリンがうまく働かなくなる(インスリン抵抗性)
          により高血糖になり、高血糖が原因でインスリン分泌をさらに悪くする
          (糖毒性)を起こし、進行する。

         治療は、食事療法と運動療法。
         もし効果が少なければ薬物療法(飲み薬→→→インスリン注射)

  3大合併症
   糖尿病性網膜症・糖尿病性腎症・糖尿病性神経障害

  糖尿病は、動脈硬化を促進して心筋梗塞や脳卒中をおこしやすく、
  高血圧や脂質異常症(高脂血症)が加わるとリスクが高くなる。
  


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2011年05月07日

学習ノート5.7

第3章

2 実際の運動を用いたアクティビティ

 認知症を予防するための運動習慣を実際の
アクティビティとしてどのように応用するか、
まだ標準化されていない。

 2006年から導入された地域支援事業の
「認知症予防・支援マニュアル」や
東京都老人総合研究所「地域型認知症予防プログラム」
などがある


(1)認知症予防の対象区分と対象者

 認知症予防のハイリスクアプローチのターゲットは
 軽度認知障害(MCI)の人

 認知症の診断がつく前の5年~10年ぐらいの期間

 診断基準
 MCI ・・・認知症でも正常でもないグレーな人
   「記憶障害型」
   「非記憶障害型」

 加齢関連認知低下(AACD) 
   記憶・学習、注意・集中、思考、言語、視空間認知の
  多面的な認知領域の機能低下


 MCIよりもAACDのほうが、3年間の認知症移行率が高い
 →認知症予備軍を見つけやすい?

 MCIやAACDの人たちは地域に約20~25%いるとされ、
 そのうちの30%弱の人たちが3年間に認知症に移行する
 とされている。

 MCIの高齢者が認知症予防に関心を示す割合は20%
 (健康な高齢者40%の半分)
 →MCIになってしまうと、認知症予防が必要でも  
  予防しなくなってしまう。

 認知症予防の長期的観点からみると、「潜在的な」
 リスクをもっている健康の人たちも認知症予防の
 対象となる。


(2)認知症予防としてのウォーキングの勧め

 米国スポーツ医学会の推奨プログラム
  1日30分の早歩きを週5日行うことが目標

 地域型認知症予防プログラムは、ウォーキングや
 知的活動の習慣化を効果的に促進するため、
 週1回のプログラムを実施するのがよい。

 プログラム初回に、ウォーキングや知的活動を
 習慣化するため必要な知識や方法を学習し。
 1週間後までに、一人ひとりが自宅で課題に取り組む。

 2回目は、メンバー同士で自分が取り組んだ課題に
 ついて報告を交わす。
  


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2011年05月06日

学習ノート5.6

第3章

1つづき

(2)運動習慣と認知症予防

 有酸素運動の強化と頻度が関与

①ローリンの報告

  運動をよく行い活動量の高い者は、
 認知症になることを抑制していた


②アボットの報告

  1日の歩行距離と認知症発症リスクの関係

  1日2マイル(3.2km)以上歩く人よりも
  0.25マイル(0.4km)しか歩かない人の危険率が
  1.9倍高い。さらにアルツハイマー型認知症では、
  危険率が、2.2倍高い。


③ロビオの報告

  運動習慣と認知症発症リスクの関係

  中年期に、週2回の運動習慣やレジャーでの
  身体活動をしていた人は、発症リスクが抑制される。

  通勤や仕事での身体活動量は認知症の発症と関係がない。

  中年期から週2回以上、少し汗をかく程度の運動を
  20~30分行うことが重要


④ポーデウィルの報告

  アポリポタンパクEの遺伝子型によって、運動のもつ
  認知症予防効果が影響を受ける可能性がある(仮説)

  Apo E多型 → 有意
  Apo E3/3  → 運動・身体活動の効果有り
  Apo E3/4  → 関係性はない


⑤キビペルトの報告

  Apo E3/4の分析

  アルツハイマー型認知症の危険因子

  Apo E3/4を持っている高齢者は、身体活動量や運動量の低さ、
  アルコール摂取、喫煙、魚摂取の低さなどが、より
  認知症の発症を強める。



認知症予防効果のデータは、まだまだ不足している。
  


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2011年05月04日

学習ノート5.4

第3章 認知症の予防と対応

1 認知症予防の研究と課題

(1)認知症予防の根拠

 ①疾患別の予防

 ・脳血管性認知症の予防

   脳血管障害の原因疾患
    脳梗塞、血栓症、脳塞栓症、脳出血、くも膜下出血など

   リスクファクターを予防、抑制する
    運動、肥満、食塩の摂取、飲酒、喫煙の生活習慣、高血圧症
    脂質異常症(高脂血症)、糖尿病や心疾患


 ・アルツハイマー型認知症

   危険因子
    遺伝子的因子、環境因子(環境の影響のほうが大きい


 ②認知症と食べ物

  アルツハイマー型認知症の食習慣
   魚の摂取・・・1日1回以上食べる人より食べない人が危険が5倍
          エイコサペンタエン酸(EPA)
          ドコサヘキサエン酸(DHA)  
   
   野菜や果物の摂取・・・ビタミンEの摂取量が多い人は少ない人の3割発症
             ビタミンE、ビタミンC、ベータカロテン   
   赤ワインの摂取・・・週1回以上飲む人は飲まない人の半分 
            ポリフェノール


 ③認知症と知的活動

   文章を読む、知的なゲーム(チェス、トランプ)、楽器の演奏、ダンス

   よくする人とほとんどしない人 危険度は0.24~0.65低い

   アルツハイマー型認知症は、対人的接触頻度も関わる
   閉じこもりがちな人は、発症危険度が8倍  



           


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