2011年05月27日

学習ノート5.27(2)

第2節 認知症ケアにおけるコミュニケーションのコツ


①自分の姿勢を「整える」

 安心できる関係を築くために、心理的態勢、物理的態勢、
 身体的態勢を整える

 心理的態勢の整え:自分の意識や注意、関心を相手に向け
          取り組む気持ちをもつ

          自分が相手をどのように思っているか、相手に
          抱いている感情を認識する

 物理的態勢の整え:お互いの距離や向き、位置など

 身体的態勢の整え:身体状態をコミュニケーションが可能な
          状態にする
 

②治療・援助者が希望をもち「まなざす」ー気持ちの伝え

  思いを込めて対象を見る 非言語コミュニケーション
  
  まなざしには、まなざす人の思いや心の状態が
  目の表情として現われ、相手に伝わる


③希望というまなざしを向けて「共にある」

  ケアする者の気持ちを相手に伝える非言語的コミュニケーション

  ケアにあたる者として希望を捨てず、焦る気持ちを抑え、
  整え、温かく、静かに「共にある」ことが大切
  

④対象者の心の開きを「待つ」ー関係の成り立ち

 観せて待つ:対象者にケアに当たる者を観察する機会・
       時間を提供して待つ=観られて待つ

       他の人への接し方を見せて心構えを作らせる

 整いを待つ:ケアを受ける人の、心理的態勢、物理的態勢、
       身体的態勢を待つ。特に「心の整い」

  
⑤対象者の生活機能とその思いを「知る」

 ケアの関係を築く基本

 「知る」とは、ケアする者が、対象者に対してできることを
 適切に果たす、しなくてもいいこと、してはいけないことを
 しないようにするためのコミュニケーション

 観察・・・聴く・観る・集める・読む

 聴く:返事の有無、言葉の直接的内容だけで判断するのではなく、
    返事ができないこと、返事をしないことが「返事」である
 
   聴くコツ
   ・自分の気持ちを伝えるより、相手の話に耳を傾け
   ・話された内容の価値判断をせず、その気持ちを受け止め
   ・指導的な助言は控え、
   ・相手の話を遮らないように
   ・何をつたえたいのかを読み取るように聴く

   聴くことの効果
   ・自分の気持ちをわかろうとしている
   ・自分の思いをわかってもらえそうだ
   ・話したことで気持ちが楽になる

   よくない聴き方
   ・熱心に何もかも聞きすぎる
   ・関係を失うまいと安請け合いする
   ・何かを助言しなければと無理して自分の考えを述べる
   ・聞き取りにくいのに分かったふりをする


 観る:目にみえない心の状態は、語られる言葉の意味や
    内容よりも、その話し方、表情、姿勢、態度、行為、
    動作などの運動系の変化や自律神経系の変化に
    「からだの表情」として表出される

  観るコツ
   外観、表情、態度、行為、行動、話し方、声、アクティビティ
   の経過や結果を、客観的に判断し、把握する過程は、
   観る者の感受能力、分析能力、判断能力によって観察結果が
   異なる


 集める:対象者の情報を収集する。

 読む:得られた情報をライフストーリーとして紡ぎ直す作業


⑥その思いを言葉に頼ることなく「伝える」

 声-言葉の表情
    声の大小、強弱、高低、速さと変化、間合い、テンポとリズム
    抑揚、語気(語調)、言葉の量、言葉の連続性(流暢さ)
    言葉の肌理など

 身体ーからだの表情
     身振り、動作など

 物-拡張した自我
    所有したり、作った作品、道具や日常用品など物は
    対象者の性格特性を表す非言語メッセージ

    衣類、装身具、カバン、時計などから趣味、価値観、思想が見える


⑦正しく伝えるために言葉で「話す」

 言葉を者として手渡す
 ・手渡すことが出来る距離まで近づき
 ・相手と目を合わし(アイコンタクト)
 ・双方の態勢が整うのを待つ。
 そして
 ・相手の受け取り能力(覚醒度、認知能力)に合わせ
 ・手渡す「言葉」の量を考え
 ・手渡す(話す)速さを配慮し
 ・受け取る(聞く)準備ができたことを確認して
 ・一度に理解できる量(内容)を手渡す(話す)
 続けて話すときは、
 ・相手が受け取った(聞いた)ことを確認して
 ・次の物(言葉)を手渡す  


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2011年05月27日

学習ノート5.27(1)

第6章 かかわりのためのコミュニケーション

第1節 認知症とコミュニケーション

1 認知症のコミュニケーション障害

 認知症のコミュニケーション障害は、どのように
対処していいかわからない状態の一つ

 言語機能障害に記憶、思考、見当識の障害が重なり、
状況に応じた話ができない、同じことを何度も繰り返す、
つじつまの合わないことを言うといったことがおこる。

自分の気持ちを上手く伝えることができず戸惑っている
のは本人自身。


(1)言語機能障害とコミュニケーション

 比較的早期から、語彙数が限られてくる、固有名詞が
 出て来なくなり代名詞が増えるが、日常会話に大きな
 支障がみられないために気づくのが遅れる。

 次第に相手の言葉が理解できなくなったり、自分の
 言いたいことをいう適切な言葉が思い出せなくなったり
 することが起きる。

 認知症の初期は、人が何を言っているかわからない、
 自分の思いをわかってもらえない、そのために混乱したり
 起こったりする

  ⇒周囲の人とのコミュニケーションを悪化させ、孤立を深める


(2)見当識障害とコミュニケーション

 記憶障害のため、人物や場所がわからない、それを表す
 言葉も分からないため、困惑が深まる

 ケアは、困惑を理解し、何に困っているのか、何を伝え
 たいのか、その思いを受け止めようとする気持ちが必要


(3)記憶障害とコミュニケーション

 体験したことを忘れるため、つじつまが合わなくなる。

 つじつま合わせを繕うよう、記憶のつぎはぎをしたり、
 作り話をしたり、思い込みや錯覚、妄想につながる


2 認知症の人とのコミュニケーション

(1)一番困っているのは認知症の人本人

 人の名前や関係を忘れても、自分にとっていい人か
 嫌なことをする人か、快・不快の感情は働いている。

 対応が煩雑になるとBPSDが増える


(2)ケアにおけるコミュニケーション

 その人が、今、どのような状態にあるのかを知ることが
 必要になる。行動の問題性にとらわれず、耳を傾け
 その人を知ろうという気持ちで関わると、自分にとって
 安心な人という認識が生まれる  


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