2011年08月12日

アルツハイマーの新薬について



水曜日、加古川の認知症家族の会のミニ講座で、
神戸大学大学院の古和(こわ)久朋先生が
「認知症治療の進歩」という題目で認知症の新薬
についてお話されました。


***お話をまとめたもの*******


今年、発売されるようになった薬は、

 3月 ガランタミン(レミニール) 
 6月 メマンチン(メマリー)
 7月 リバスチグミン(リバスタッチ、イクセロンパッチ)

いずれもアルツハイマー型認知症に効果があるとされています。


ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミンは、コリンエステラーゼ阻害薬
脳内アセチルコリンの量を増やし、その結果、神経伝達を促進する。


ガランタミンは、
アセチルコリンエステラーゼを阻害するだけではなく、
アセチルコリンとともに、陽イオンの通るチャネルを開くこともするので、
脳のシグナルがより伝わりやすくなる。


リバスチグミンは、
アセチルコリンエステラーゼだけではなく、
ブチリルコリンエステラーゼをも阻害する。

また、パッチ(貼り薬)のメリットとして(リバスチグミンはパッチ)、
経口薬よりも吐き気の副作用が減り、レビー小体型認知症やパーキンソンの
ある認知症に効果
がみられる。

これら3種の薬








を服薬すると、意識がはっきりしたり、行動的に
なったり、時には興奮状態になったりする。



しかしメマンチンは、


逆に興奮を静める作用があり、BPSDのある人、
睡眠障害のある人などに効果
が見られる。


メマンチンは、「グルタミン酸仮説」により、神経細胞を保護する作用、
記憶・学習障害抑制作用などの効果
がある。


これら新薬の使い分けは、

アメリカは、ドネペジル、またはドネペジルとメマンチン併用が半数以上

ドイツやフランスは、4種が4等分

イギリス、オーストラリアは、ドネペジル、ガランタミンの使用が多い

日本では、まだ新薬の使用が可能になった状態で、症例が少ないので、
まだ断言することはできないが、ドネペジルとは異なる効果が次第に
明らかになってきており、症状に応じて薬を選択することができるようになってきた。

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2011年04月11日

「レミニール®」発売開始!



メマリーの発売が延期という記事を書いた
ばかりですが、3月22日からヤンセンファーマと
武田薬品から「レミニール®」」(Reminyl®,
一般名: ガランタミン臭化水素酸塩)が発売されて
いるようです。

軽度から中等度のアルツハイマー型認知症の
進行を抑制する薬です。


以下、ヤンセンファーマ製の「レミニール」について。


【販売名/薬価】
レミニール®錠4mg / 119.60円, 8mg / 213.80円, 12mg / 271.00 円
レミニール®OD錠4mg / 119.60円, 8mg / 213.80円, 12mg / 271.00 円
レミニール®内用液4mg/mL / 107.30 円(0.4% 1mL)


【包装】
レミニール®錠4mg: 56錠(14錠×4), 140錠(14錠×10), 100錠(バラ)
レミニール®錠8mg: 56錠(14錠×4), 140錠(14錠×10), 100錠(バラ)
レミニール®錠12mg: 56錠(14錠×4), 140錠(14錠×10), 100錠(バラ)
レミニール®OD錠4mg: 56錠(14錠×4), 140錠(14錠×10)
レミニール®OD錠8mg: 56錠(14錠×4), 140錠(14錠×10)
レミニール®OD錠12mg: 56錠(14錠×4), 140錠(14錠×10)
レミニール®内用液4mg/mL : 分包品1mL×56包, 2mL×56包, 3mL×56包
瓶包装品 100mL×1瓶


【薬効分類】
アルツハイマー型認知症治療剤

【効能・効果】
軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症における
認知症症状の進行抑制


《効能・効果に関連する使用上の注意》
1) アルツハイマー型認知症と診断された患者にのみ使用すること。
2) 本剤がアルツハイマー型認知症の病態そのものの進行を抑制する
という成績は得られていない。
3) アルツハイマー型認知症以外の認知症性疾患において、
本剤の有効性は確認されていない。


【用法・用量】
通常、成人にはガランタミンとして1日8mg(1回4mgを1日2回)から開始し、
4週間後に1日16mg(1回8mgを1日2回)に増量し、経口投与する。
なお、症状に応じて1日24mg(1回12mgを1日2回)まで増量できるが、
増量する場合は変更前の用量で4週間以上投与した後に増量する。  


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2011年04月08日

メマリー(メマンチン)発売延期



3月に中等度~重度のアルツハイマー型認知症の
新薬が発売されると、以前ブログで紹介しました。

http://nintomo.tenkomori.tv/e221076.html


ところが3月11日の地震の影響で工場が
「計画停電」区域に指定されたために、製造、
発売が延期になっているようです。


待っている方もいたと思うのですが残念です。


以下、公式発表です。



NMDA受容体拮抗 アルツハイマー型認知症治療剤
「メマリー(R)錠5mg、10mg、20mg」の発売時期に関するお知らせ


第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「当社」)は、
NMDA受容体拮抗 アルツハイマー型認知症治療剤「メマリーⓇ錠5mg、
10mg、20mg」(一般名:メマンチン塩酸塩)につきまして、3月18日に
新発売する予定でおりましたが、このたびの東北地方太平洋沖地震の
影響をふまえ、本剤の発売後の安定的な供給を確実なものとするため、
発売日を延期することといたしましたのでお知らせします。

当社は、一日も早い発売に向けて準備を進めてまいります。
新発売の時期につきましては改めてお知らせいたします。

以上.  


Posted by まるこ♪  at 17:10Comments(0)

2011年02月24日

リバスチグミン



昨日に引き続き「薬」のお話。

アルツハイマー型認知症の軽度から中等度の
方に効果のある薬が年内に発売される予定です。

これは貼り薬

薬の名前は、リバスチグミン(Rivastigmine)

アセチルコリンを分解する酵素で、
脳の神経の伝達を邪魔するアセチルコリン
エステラーゼとブチリルコリンエステラーゼの
両方を阻害する作用を持つ薬です。
(舌かみそうですが・・・)


日本では、小野薬品から

「リバスタッチ4.5mg、9mg、13.5mg、18mg」

という名前で発売される予定です。

ちなみに、海外では、ノバルティスファーマ社が
「イクセロンパッチ」という名前で販売します。


貼り薬は、飲み薬と比べて吐気・嘔吐・下痢等の
副作用が少なく、また薬を飲むことを拒否される
場合を考えたら、貼るだけなので簡単だと思います。


アルツハイマー型認知症の薬がいろいろと
出てきて、上手に薬を使うことで症状が
緩やかになったり、進行が遅れたりしたら
ご本人にとってもご家族にとってもいいこと
ですね。


病状の進行度と薬の関係をまとめておきます。

軽度から高度の全てのアルツハイマー型認知症
・アリセプト(ドネペジル塩酸塩)

軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症
・リバスタッチパッチ(リバスチグミン)
・レミニール(ガランタミン)・・・これも近々出てくる予定

中等度及び高度のアルツハイマー型認知症
・メマリー(メマンチン)


  


Posted by まるこ♪  at 09:53Comments(0)

2011年02月23日

メマンチン


[エビクサ:EU版メマンチン]

第一三共から、アルツハイマー型認知症の治療剤
「メマリー錠Ⓡ5mg、10mg、20mg」
というのが発売されるそうです。

一般名は、メマンチン塩酸塩

メマンチンは、ドイツのメルツ社が開発をし、
アメリカでは「ナメンダ(Namenda)」という名前で売られ、
写真の「エビクサ」はアジア向けに販売されていました。

日本では販売が認められていなかったため、
個人輸入で購入していた方はいたようです。

が、今年から第一三共が、メルツ社と提携し、
3月ごろから販売が始まるようです。


そこで販売される前に予習をしておきましょう。

メマンチンは、中度から重度のアルツハイマー病の
進行を遅らせることが期待されています。

アリセプト(ドネペジル)は初期から中等度の
方の薬でしたが、メマンチンはアリセプトと
併用もできるようです。


アルツハイマー病は脳の中のグルタミン酸が過剰に
なっているが、メマンチンはそのグルタミン酸が
シナプスに流入することを防ぐことで、その
進行を遅らせます。

成人には1 日1 回5 mg から開始し、1 週間に
5 mg ずつ増量し、維持量として1 日1 回20 mg を
飲みます。

主な副作用には、幻覚、混乱、めまい、頭痛および疲労。
まれに、不安感、緊張性痙攣、膀胱感染症が引き起
こされる場合もあるそうです。

また、てんかんを患ったことがあったり、心筋梗塞
(心臓発作)を起こしたことがある、高血圧である、
腎臓の機能に障害があるといった場合は適しません。




  


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