2011年10月11日
初心

私が認知症ケアについて知りたいと思ったきっかけは、
義和さん(偽名)との出会いでした。
まだ介護職になって2年ぐらいたったころだと思います、
職場には、おそらく軽度の認知症のある方はいたと
思うのですが、BPSDが顕著に現れる方はいなかった。
義和さんが、私にとっては初めて認知症の症状を
見せてくれた方でした。
午後になるとそわそわし始め、家に帰ると言い、
色々な理由をつけては、施設にとどまる説得をしました。
あるときは、義和さんは20代ぐらいの青年で、自分は
家出をしていて親が怒っているかもしれないと相談
されることもありました。
私は、義和さんのお母さんに確認し(もちろん嘘です)
「お母さんは怒っていませんでしたよ」と伝え、
義和さんのほっとした表情をみることもありました。
義和さんは穏やかで、またユーモアのある方でした。
誰かの前を通りすぎるときは「ちょっとすいませんよ」と
挨拶をして通り、ゲームをして失敗すると「ペケポン!」
と皆を笑わせていました。
私は、義和さんが大好きで、義和さんの病のことを
もっと知りたい、いい介護がしたいと思うようになりました。
このブログの初めのほうでも、義和さんのことが書いてあります。
http://nintomo.tenkomori.tv/e146383.html
http://nintomo.tenkomori.tv/e152020.html
前置きが長くなりました。
義和さんは、その後、私の施設から近所の特養に移られ、
私がお世話することはなくなったのですが、
昨日、その義和さんがいる特養に行く用があり、偶然、
義和さんをお見かけしました。
職員さんの許可を得て、挨拶に行きました。
「義和さん、こんにちは」
「はい、こんにちは」
「私、以前、義和さんにお世話になっていた者です。
お元気そうですね」
「ええ、まあ、ぼちぼち」
「これから寒くなりますけど、身体に気をつけて
くださね」
「ありがと、ありがと。えへへ・・・」
「じゃ、握手をしましょう」
そう言って、握手をして別れました。
義和さんは、少し痩せていたけれど、はっきりした
口調でお話され、握手もとても力強く、嬉しかった。
義和さんの再会し、また初心を忘れずにいたいと
思いました。
今日は、加古川の家族会の日。